悠々日和キャンピングカーの旅:⑧霞ヶ浦・房総半島(茨城千葉)
再び九十九里ビーチラインで南下するとまもなく、外房黒潮ライン(R128)に入った。国道は海岸から離れて山間を走った後は海岸線の御宿町(おんじゅくまち)に出た。その後は再び山が海岸まで迫り、幾つかのトンネルを抜けると、多くのサーファーが漂う海岸が見えた。
その風景を見渡せる海側には国道に沿って広い駐車場があり、「ジル」を停めた。そこは部原(へばら)海岸で、かつて、プロサーファーのWCT(World Championship Tour)が開催された有名な場所のようだ。
静岡県の自宅近くのサーフィンポイントは、クルマで僅か20分の遠州灘の砂浜だが、私にとってそこは、サーフィンを楽しむ場所ではなく、パラモーターのテイクオフの場所だ。サーフィンについては殆ど知らないが、波の上でターンする姿はかっこよく、パラモーターと同様に3Dを楽しむスポーツかな、と思うくらいだ。
駐車場に停める時、左側の前タイヤの側面を路側帯で擦ってしまった。見た感じでは支障は無さそう。「ジル」の車重は3トンもあり、それを支えるタイヤは重要で、空気圧や表面の傷等、かなり神経を使って確認しているが、支障が無かったことで、胸を撫でおろした後は、眼下というほどは高さと距離感ではないが、サーフィンを暫く見ていた。
出発前、マップを見ながら、この先について調べた。
勝浦と鵜原の半島部の海岸はリアス式海岸のようで、美しい景観を見ることができそうだ。しかしながら、その半島部の道は狭く、宅急便のトラックよりは少し幅が広い「ジル」での対向車とのすれ違いは厳しい。更には、3mを若干超える車高により、高さの低いトンネルは入れない。
慎重にマップで調べた結果、興味が湧いたのは鵜原の半島部の「鵜原理想郷」だった。
そこに向かって出発したのだが、道に迷って、たどり着けなかったようだ。あとで調べたところ、大正時代に別荘地を作る計画があり、そう呼ばれるようになったが、今は、風光明媚なハイキングコースとのことだった。
再び、外房黒潮ラインに戻り、山間を走ったり、海岸線を走ったりを繰り返した。
特に海岸線を走っていると、小さな岬に差し掛かる時は、その美しい景色の写真を思わず撮りたくなるもので、その写真に、できれば「ジル」が写り込めばと、ひとり旅では叶わないことを思ってしまう。
もし、そのような場所に、クルマの接近や遠ざかってゆくことをセンサーで検知して、自動的に写真を撮って提供してくれるサービスがあれば嬉しい。誰か、このサービスを始めて欲しい。