悠々日和キャンピングカーの旅:⑧霞ヶ浦・房総半島(茨城千葉)
犬吠埼に向かう県道が海岸に出た時、海には白波が広がっていて、海岸線から少し離れた岩で波が砕け散っていた。
その先では、君ヶ浜の砂浜越しに、犬吠埼に屹立した白い灯台が見えた。そこは銚子半島の最東端で、日本一早い「初日の出」のスポットだ。その美しい写真を撮るために、「ジル」を駐車場に停めて、砂浜に下りて写真を撮った。
「ジル」に戻った時、駐車場には野良らしい猫が数匹いた。砂浜に打ち上げられた魚でも食べて生きているのだろう。そして、灯台に向かった。
灯台の手前には数軒のショップが並んでおり、今流行り「テラス」も見られ、この灯台は観光地の側面があることを知った。その先に「ジル」を停めて、灯台に登ることにした。
らせん階段の段数は99段、九十九里浜の九十九に合わせたのか? 登れば登るほど、階段通路の幅は狭くなり、最後は、ひとり用の梯子のような階段だ。そこから見上げると、巨大なレンズが見えた。鉄製の扉を開けると、強い海風が歓迎してくれた。
太平洋に面した東側は180度以上の視界が広がり、その水平線を端から端まだ見渡すと水平線が丸く見えてきた。沖合には幾つかの貨物船が見えた。北側には先ほど歩いた砂浜の君ヶ浜、南側はこれから向かう長崎鼻から九十九里浜、それらの景色に圧倒されたのか、西側の景色は全く記憶に残っていなかった。足元を見ると、灯台の前に停めた「ジル」が見えたので、写真を撮った。
趣味のパラモーターで、静岡県の海岸線をよく飛んでいる私は、遠州灘の東端の御前崎灯台を見下ろす高さで飛んだことがある。この犬吠埼をパラモーターで飛ぶならば、灯台を見下ろしながら、その先の景色まで見渡せたのだろうと思いながら、灯台を下りた。
灯台の下には資料館があった。展示資料に目を通すも、景色の素晴らしさに圧倒されたのか、読んだ先から忘れてしまう状況だった。唯一、灯台のレンズの構造については、しっかりと記憶している。
展示資料の中に「銚子ポートタワー」の写真があり、そこに行くことを忘れていたことに気付いた。そこからは銚子漁港の全体を俯瞰できると思っていたのだが、ここから戻れないこともないし、先を急ぐ必要もないのだが、また来ればいいやと諦めた。