悠々日和キャンピングカーの旅:⑧霞ヶ浦・房総半島(茨城千葉)
道の駅「いたこ」に向かっていた途中、「ボートセンター」の道路標示があり、社会人になってからだが、勤務先の漕艇部で3年間、ボートを漕いだ経験があったので、その標識に興味が湧き、そこに立ち寄ることにした。
霞ヶ浦の西浦と外浪逆浦の間の常陸利根川にボートのコースがあり、5レーンの2000mを確保できる場所のようだ。その土手から漕艇場を見渡したが、この時間帯、ボートを漕いでいる人は見当たらなかったが、心地よい風の中で川面を見ながら、私の現役の頃を思い出した。
東関東自動車道の出口の潮来IC近くの道の駅「いたこ」に到着、常陸利根川から10分の距離だった。そのショップで、鮒の甘露煮と蜆(しじみ)の佃煮を購入。そして次の目的地の「鹿島神宮」に向かった。
北浦に架かる神宮橋を渡っていると、右の車窓から北浦の中に立っている赤い鳥居が見えた。
古来、水運による経済や文化の要衝であった大船津は鹿島神宮参拝の西側の玄関口でもあり、「西の一之鳥居」の赤い鳥居が建てられたようだ。
江戸時代に歌川廣重の「六十余州名所図会(ろくじゅうよしゅうめいしょずえ)」に、この水上鳥居の景観が描かれているとのことで、その図をネット検索したところ、確かに建っていた。
この名所図会は全70枚の浮世絵木版画の連作で、この大船津が日本全国の70ヵ所の名所のひとつだった。当時のここの賑わいはたいへんなものだったのだろう。
赤い「西の一之鳥居」を潜ったつもりで、鹿島神宮に向かった。緩やかに上る参道の大町通りをゆっくりと走り、鹿島神宮の森から切り出された樹齢600年の杉の木によって作られた大鳥居の手前から駐車場に入り、「ジル」を停めた。
大鳥居を潜って、100mほど歩いたところの楼閣を抜けるとすぐに本殿があった。この「キャンピングカーの旅」の安全と家族の幸せを祈った。
奥宮に向かう奥参道は杉の巨木が立ち並ぶ神宮の森で、その厳かさが体に染み入る感じだ。奥宮で祈願してからは、右の奥の要石までは樹叢(じゅそう)の中の長い参道を歩いた。要石を見た後は、先ほどの奥宮まで戻り、今度は反対側の御手洗池までは長い階段を下りて行った。
本殿での参拝のみならば、さほど時間は掛からないが、そこから先の奥宮、要石、そして御手洗池までのフルコースを回る参拝でかなりの時間を費やした。その分、ご利益は大きく、多いのだろう。そう思うことにした。
「ジル」に戻ってから湯を沸かし、ドリップで淹れたコーヒーで、ダイネット内でゆっくりと休憩した。ちょっと甘味が欲しかったが、「ジル」には積んでおらず、参道の店で何か買っても良かったのだが、歩き疲れたので、走りながら見掛けるコンビニで買うことにした。