悠々日和キャンピングカーの旅:⑧霞ヶ浦・房総半島(茨城千葉)
■旅の2日目:山梨県山梨市 → 埼玉県越谷市
夜半過ぎ、寒さで目が覚めた。もう1枚布団を掛けて眠ることにした。念のため、布団を余分に積んでいたのは正解だった。それでも、寒さで6時前に目が覚めた。
トイレから戻ってからは温かい布団に入らず、湯を沸かしてコーヒーを淹れた。ちょっと熱いコーヒーの苦みが口の中で広がった。そして、朝食の準備を始めた。パンを買い忘れたので、ウィンナー、目玉焼き、野菜ジュースという軽い朝食になった。
昨日は、日が落ちてから雁坂みちをここまで登ってきたため、車窓風景はなかった。何かもったいないことをした気になり、一旦、麓の石和温泉あたりまで下ることにした。
これまでの私ならば、さっさと先に進んだのだが、景色を見ていなかったという理由で、30数kmの距離を1時間弱掛けて、標高差約850mも下るとは、信じられないことだった。当然、もう一度ここまで戻ってくるため、その2倍の“ロス”になる。
今日のゴールは埼玉県越谷市、雁坂トンネルを抜けた先が埼玉県なので、気持ちに余裕があった。それも手伝ってか、引き返す判断をしてしまった私自身に驚きながらも、それを楽しもうという別の自分がいるようで、私のセカンドライフの幅が広がってゆくのを感じた。“ロスを楽しみに置き換える”のも良いのかもしれない。
道の駅近くの、笛吹川の広瀬ダムのダム湖の横を通過し、道路脇にあった温度表示は0℃だったが、路面の凍結はなかった。「ジル」が凍結した路面を滑ってしまうのを想像しただけでも、ものすごく怖いし、何かに衝突するならば大変なことになってしまう。自宅には、以前の愛車のエルグランドで使っていたタイヤチェーンがまだあるので、試しに、それを「ジル」に付けてみよう。
笛吹川の谷を暫く下って行くと、昨夜、立ち寄っただけの道の駅「花かげの郷まきおか」の手前に、見覚えがある「ほうとう屋」があったので、この坂をもう一度上ってくるときに寄ることにした。
更に下ったところから、雁坂みちのバイパスの西関東道路の方に入った。
スムースに走れる道からの右側の車窓風景は、朝日に映える里山が見え、紅葉は過ぎているが、美しい山容だった。
左側には野焼きなのか、数本の煙が立ち昇っていた。それは、甲府盆地側からの緩やかな風で山側にたなびき、その上空では、山側からの風に吹かれ盆地側に流れる風景が広がっていた。意思を持たない煙が、朝から遊んでいるように見えた。