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精神的な自慰行為

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「自由恋愛に対しての冒涜」
 あるいは、
「民主主義の個人の自由への侵犯」
 と、野党は攻撃した。
 しかし、実際にここまでしなければ、多発していて、歯止めの効かなくなってきている性犯罪はなくならない。性犯罪が次第に脅迫であったり、詐欺などに使われるようになると、放っておくわけにはいかない問題に発展していた。
 つまりは、脅迫された男が、他の犯罪に加担するように協力させられるということだ。
 詐欺の電話を掛けたりする「掛け子」、振り込みの金を引き出しにいく「出し子」、さらには金融講座を遣わすに直接接触して現金を受け取る「受け子」を始めとして、見張り役のようなことに使ったりしていた。いわゆる特殊詐欺と呼ばれる連中の犯罪も多様化していて、脅迫を受けている人間が、詐欺に加担させられるというのも新たな手口として問題になっていたので、このような詐欺を撲滅する観点からも。美人局のような犯罪を撲滅すr必要があった。
 そもそも美人局というやり方は、以前に比べれば、結構少なくなっていた。
「それは実際になくなっているわけではなく、形を変えて、新たな犯罪に利用されるようになったからだ」
 という話をしている評論家の先生もいた。
 そのような犯罪を防ぐ意味でも、、ラブホテルというのは、グレーゾーンだった。ただ一つ問題になったのは、デリヘルだった。
 そもそも、国家の本音とすれば、
「未婚の男性であれば、風俗を利用してくれればそれでいい」
 という風に考えていたのだ。
 最初は公式ではなかったが、
「セックス同意書制度」
 が国会を通過した時、それと同時に、ソープランドのような一部の風俗に、国から補助金が出るという制度もできた。
「どうして、風俗業に国から補助金が出るんだ?」
「どうして、ソープだけなんだ?」
 と言われていたが、ここには、苦肉の策があったのだ。
 ラブホテルを利用した自由恋愛ができなくなったことで、
「結婚しなければセックスができない」
 というt縛りが設けられたことになり、そのような性的ストレスの解消が、別の犯罪に波及することを恐れたのだ。
 それが、公共交通機関における痴漢や盗撮のような犯罪であったりするのだ。
 これが増えてくれば、それこそ本末転倒である。
 そのために、
「風俗を活性化させて、性的ストレスをためないようにしないといけない」
 という問題から、ソープランドに支援金を出すようにしたのだ。
 その支援金を使えば、ソープの値段がどんどん下がっていき、それによって、未婚の男子がソープランドを利用しやすくなることで、他の犯罪に走らないようにするのが目的だった。
 だが、そうなると別の問題が出てきた。
 一つは、
「ヘルスなどの他の業界との金銭格差がなくなってきて、ヘルスを利用する客が減ってくる」
 という問題であった。
 本番行為の有無で、ヘルスとソープは別れていたが、ソープのようなサービスではなく、部屋も粗末なところで、シャワーすらないというヘルスは、
「ソープよりもお手軽」
 という意味で、料金もお手軽だったら、利用されてきた。
 しかし、その金銭的な優位が減ってくると、
「今までヘルスにしか行けなかったけど、ちょっとだけ出せばソープにいけるじゃないか」
 という客が増えてくるのだ。
 当然、ヘルス業界からの反発が強くなってくる。そうなると、風俗業界でも、それまでのタブーを破る店も増えてきた。
「本番不可」
 というのが、ヘルスの常識だったが、実際には公然の秘密のように行われるところが出てくるという弊害が起こってきたのだ。
 さらに、問題だったのは、袁術の、
「デリヘル業界」
 である。
 ホテルに入れる男女は、
「セックス同意書」
 がなければ入室が不可になったということで、ホテル出張が主流となっていたデリヘルは痛手だった。
 しかも、デリヘルを自宅に招くという行為も、違法となった。セックス同意という観点があるのに、風俗であっても自宅に呼ぶということを許してしまうと、今回の法改正お意味がなくなってしまう。
 今回の法律では、
「家庭において起こった問題は、セックス同意書がなければ、その理由如何に問わず、男女ともに罰せられる」
 という厳しい問題があったのだ。
 だから、デリヘル嬢を自宅に呼ぶという行為自体が犯罪として扱われるというわけである。
 そのため、デリヘルはこのままでは、存続が難しくなった。そうなると、すたれ始めているヘルス業界を活性化させてデリヘル嬢の受け皿になる必要があった。そうなると、今までのように、風俗の店を開店できるという範囲を条例で設けているところの自治体の法律を撤廃する必要があった。
 そもそも、一つの地域に密集させるということで、風俗を隔離できて、教育上の問題の解消や、利用する人に、入店の際に恥ずかしくないように感じさせるという利点が損なわれることになるが、これも、実際の卑劣な犯罪を抑制するという意味で捉えると、仕方のないことなのかも知れない。
 そのため、築によっては、開店できる場所を広げて、飲み屋街やキャバクラの密集している地域に割り込めるようになったことは、果たしてよかったのかどうか、結果が出るのはしばらくしてからのことであろう。
 しかし、そのおかげで、もう一つの問題が解決されることになるのだった。
 性風俗と呼ばれる店の開業できる範囲が増えたことは、
「女性の性風俗誕生」
 という意味で、立地的によかったのではないだろうか。
 今までの女性のための風俗というと、ホストクラブというイメージが強かった。しかし、ホストクラブというと、あまりいいイメージがない。
「ホストに入れあげて、高額の借金ができてしまったことで、自分たちがソープやヘルスに勤める」
 という状況が一般的になっているからだった。
 だが、中には風俗が自分に合っているという女の子もいて、昭和の頃のような風俗嬢に対してのイメージが薄らいできた。今の風俗の女の子は実に男性に対して明るく接することができ、男性も昔のように風俗通いを後ろめたい気持ちで通うというわけでもなさそうだった。
 だが、少し前の時代から、やたらと、
「男女平等」
 という言葉が叫ばれるようになった。
 元々は、男女雇用均等という概念で、活躍の場を男性と同じ立場でというのが主流だったが、今では拡大解釈をして、
「男と同じ権利を」
 と言われるようになると、それまで使われてきた言葉まで変わってくるのだった。
 例えば、看護婦が看護師になったり、婦警さんという言葉も女性警察官と言わなければいけなかったり、さらには、スチューデスという言葉も、キャビンアテンダントなる言葉に変わってしまい、
「そこまでする必要があるのか?」
 と思わせるほどになってきた。
 そんな時代において、考えてみれば、女性向けの風俗のほとんどが、ホストクラブのみというのもおかしなものだと、どうして誰お気付かないのか、男女平等というのであれば、もっと女性向けの性風俗サービスがあってもいいのではないかと思われた。
 ただ、実際に意見として、
「需要が圧倒帝に少ない」
 という理由がある。
作品名:精神的な自慰行為 作家名:森本晃次