悠々日和キャンピングカーの旅:⑦能登半島(福井県)
■奥能登の静けさ、和倉温泉街の賑わい(8月12日)
バンクベッドの小窓から見えた朝の日本海は、つい先ほどまで広がっていた朝靄(あさもや)が次第に薄くなっていて、旅の3日目の今日も晴れだ。念のため、ネットの「雨雲レーダー」で、能登半島全体を確認したところ、天気は下り坂のようだが、今日一日は良さそうだ。
軽い朝食の後はもちろん、念願の「輪島の朝市」に向かった。車中泊した駐車場からは歩いて行ける距離ではあったが、色々と買うかもしれないため、朝市の通りに近い駐車場までキャンピングカーを移動させた。
人が歩けるほどの狭い路地を抜け、朝市の通りに出た。コロナ禍の今、観光客は少なく、出店したテントの数も少ない。テレビ等でよく見る朝市の風景とは、残念ながら掛け離れていた。しかし、朝市のおばちゃんたちの威勢はよく、個々の店では、朝市の雰囲気を十分に楽しむことができた。
昨日の和食処の仲居さんに紹介された漆器店に向かった。そこは間もなく閉店する店で、久し振りにシャッターを開け、夫婦の到着を待っていた。「値札の半額以下でいいよ」とのことで、妻が色々と選び、買っていた。中居さん、有難うございました。
その後、NHKの朝の連続テレビ小説「まれ(主演:土屋太鳳)」のロケセットを再現した「輪島ドラマ記念館」に立ち寄った。夫は朝ドラのファンで、2007年の「どんど晴れ(主演:比嘉愛未)」から連続して見ている。「まれ」は2015年の放送で、もう6年も前の朝ドラだ。
歳を取るに連れ、1年が短く感じられる。それは、「ときめき」が少なくなっているためだとTV番組で説明されていたが、10歳の子供にとっての1年は人生の1/10なのだが、夫にとっての1年は人生の約1/60になるため、短く感じられるのだろう。その記念館に入ると、朝ドラのシーンが蘇ってきた。物忘れは多くなってきているが、過去の記憶はまだまだ大丈夫だ。
朝市の通りに面した「永井豪記念館」があった。夫が小学校高学年だった頃、「ハレンチ学園」に胸をときめかせ、人前ではなぜか読めない漫画だったことを思い出した。その後の「デビルマン」に「マジンガーZ」はTVのマンガ(当時はアニメという言葉は使われていなかった)で見た。この「マジンガーZ」は、それまでの鉄人28号や鉄腕アトム等のロボットマンガとは異なる新境地を開き、今現在の「ガンダム」につながっているように思えた。
その「マジンガーZ」以降は、高校生になっており、次第にマンガから離れ、青春もののドラマに興味が移っていった。そのため、それ以降の永井豪のマンガの記憶はなかった。ということで(?)、この記念館には入らなかったが、興味がなさそうな妻の様子もあり、パスしたように思う。
そして、仲居さんに教えて頂いた日本酒の蔵元で、店の人に勧められた辛口を買った。息子の土産だ。
昼食にはかなり早いが、小腹が空いていたので、海鮮丼(中)を食べた。
最後に足湯「湯楽里(ゆらり)」にたどりついたが、まだ準備中だったが、湯船に注がれている湯の量も温度も十分だったので足を浸けた。すると、朝市で歩き続けた足の疲れが消えてゆく感じがした。
朝市の賑わいは“いまいち”だったが、それでも、それなりに楽しむことができた。
作品名:悠々日和キャンピングカーの旅:⑦能登半島(福井県) 作家名:静岡のとみちゃん