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静岡のとみちゃん
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悠々日和キャンピングカーの旅:⑦能登半島(福井県)

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■一乗谷は暑く、永平寺はひんやり、そして渚へ(8月11日)
 早朝、カラスの鳴き声で目が覚めた。ちょうど良いタイミングだったが、国はカラスを害鳥に指定して欲しいと切に思う夫だった。青空が広がる日本海、旅の2日目の天気予報も晴れだ。

 軽い朝食の後は先ず、「越前岬」に向かった。
 狭い路地のような旧R305を北上しながら、南北に長い越前漁港の横を走った。狭い場所に多くの家屋がひしめき合っているこの町には、3階建ての家屋が多いのが印象的だった。家屋がなくなると、再び、海と崖に挟まれたカーブの多い道を走り続けた。

 夫は以前、バイクでこの道を走ったことがあるが、越前岬に気付かず、通過してしまった。そこで今回は、岬の先端まで行きたいと思っていた。
 ナビで確認したところ、最も西側に突き出た岬の部分は道路に面しておらず、トンネルの海側になっていた。そこで、トンネルを抜けた場所でキャンピングカーを停めて、海側を見渡すと、トンネルの海側までたどり着ける遊歩道はない。道路から岩場を見下ろすと、下り階段はあったが、波で傷んでいるようで、そこを下りて行くのはどうもリスクがありそうな感じがする。仮に下りることができても、岩場を歩いてゆくことになりそう。打ち寄せる波は大きくなく、そのあたりには数人の釣り人はいたが・・・、結局、今回も岬の先端を踏むことはなかった。

 次の目的地は朝倉氏の一乗谷(いちじょうだに)だ。
 越前岬から北側の海岸線も見たい気持ちもあったが、一乗谷はそこからはほぼ東方向にあることから、R305を北上せずに少し南下して、越前海岸から山間を抜けて東に向かうR365に入った。
 途中でR365は南下するためR417に入り、さらに東進した。道の駅「パークイン丹生ヶ丘(にゅうがおか)」に立ち寄り、小休止。ショップはまだ営業時間前のため入れず。その後、越前町役場前を通過し、やがて、眼鏡で有名な鯖江の街並みに入った。

 つい先日、夫は趣味のパラモーターの仲間たちと一緒に、若狭湾の沿岸にある三方五湖に遠征していた。
 その初日のフライトは、三方五湖の東側の久々子(くぐこ)海水浴場の東端からテイクオフし、高度を上げ、三方五湖をかなりの高さから約1時間、眼下に広がる景色を堪能した。その後は風が悪くなり、内陸部に移動して、山間の盆地でのフライトになった。日頃は遠州灘の海岸で飛んでいるため、眼下に山々が広がる空を飛んだ際は、多少の不安もあったが、それ以上に興奮が勝っていた。
 翌日は、日本海に面した塩屋海岸からテイクオフして、名勝地「東尋坊(とうじんぼう)」までの1時間のフライトを堪能するはずだったが、テイクオフの直前、電装コードを断線してしまい、修理もできず、夫ひとり飛べなかった苦渋の時間を過ごした。いつか、もう一度、テイクオフできるチャンスを待っている。
 この遠征の初日の夜、夫たちを受け入れてくれた福井県の地元のパラモ仲間と食べたホルモン焼き、夫は日頃、ホルモン焼きはあまり食べないのだが、そのホルモン焼きは素晴らしく、美味しかったことを覚えている。
 その店の外はホルモンを焼く煙で汚れたのか、お世辞にもきれいと言えないが、その外観が、この「キャンピングカーの旅」で、再び、目に飛び込んできた。再びフライトする前に、再びホルモン焼きの店を見ることになるとは、思ってもいない展開だった。