悠々日和キャンピングカーの旅:⑦能登半島(福井県)
■妻が熱中症?(8月10日)
妻も夫も以前から、能登半島をのんびりと旅をしたいと思っていた。
自宅から能登半島までの名勝地も下調べして、おおよそのコースを決めると3泊4日くらいが適当で、夫は少なくとも“あの砂浜をキャンピングカーで走りたくて”、妻は“富山湾の美味しい地のものを食べたくて”、それら必達の「キャンピングカーの旅」に出ることになった。
いつものように、キャンピングカーの準備や持参するものについては、前回までの旅の経験からメンテした「前日までの準備リスト」を使いながら夫婦で準備を進め、そして出発日の朝一からの最終準備は、これもメンテを施した「出発当日の準備リスト」に沿って、作業が中心のため、夫がひとりで準備を進めた。
前回の旅で始めた“朝のルーティーン”の、ネットの「雨雲レーダー」チェックによると、今日の行動範囲には雲は見当たらない。気分は最高だ。
自宅の最寄りのICから東名に乗り、次いで名神、そして北陸自動車道へと乗り継ぎ、その長浜ICから向かった先はびわ湖の湖畔。季節は夏、クルーザーが引っ張る水上スキーを見ながら、高速のSAで買った弁当を夫婦で分け合って食べた。
そして、長浜の街を散策していると、妻の様子がおかしい。どうも軽い熱中症のようだ。近くの冷房が効いた喫茶店に飛び込み、事情を説明して、冷たいお絞りを二つ三つもらい、アイスコーヒーで暫く休憩させてもらった。その原因は、湖畔の木陰で取った昼食の際の湿気の高さに加え、炎天下を歩いたこと。それにコロナ感染防止用の目の細かいマスクだったのだろう。ほぼ毎日のウォーキングを欠かさない夫は多少の体力(耐力?)があり、夫婦そろっての熱中症にはならなかったのは幸いだった。
妻が回復した後は、それでも、冷房の効いた「黒壁ガラス館」や「黒壁オルゴール館」をゆっくりと回ることにした。妻好みの物が多々あったが、何も買わなかったので、「どうしたの?」と聞いたところ、まだ頭がボーっとしていたとのことだった。
妻には、直射日光が当たらないアーケード街の涼しい場所で待っていてもらい、急いで、駐車場から出したキャンピングカーで妻をピックアップ。
運転席とダイネットの間に、取り外していたカーテンを取り付け、エアコンをガンガン効かせ、冷蔵庫から取り出した冷たい飲み物と冷えたタオルで、安静にしてもらった。
前回の「びわ湖一周の旅」で、長浜の街を妻とじっくりと回ってみたいと決めていたものの、この炎天下では、さすがにそうもいかず、またいつか、来ることにした。
長浜からは、びわ湖の湖岸沿いのさざなみ街道を走り、R8(国道8号線)に入り、のんびりと北上。滋賀と福井の県境の山間部を越え、若狭湾の東側の港町敦賀(つるが)に入った頃、妻は完全に回復した。
作品名:悠々日和キャンピングカーの旅:⑦能登半島(福井県) 作家名:静岡のとみちゃん