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無限への結論

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 という思いである。
 しかし、この思いは比較的恐怖ではなかった。これまでの発想があまりにも意識を超越してしまい、感覚がマヒしてしまうのではないかと思えるほどであったので、余計に感覚がマヒしているのではないかと思えてきた。
 というのおは、
「元々歪んでしまった過去という考えではなく、パラレルワールドの別の世界ということになるのだから、この世界にいる自分は、厳密には今考えている自分ではない」
 という考えだ。
 その時に浮かんできたのは、夢の世界だった。
 夢というのは、目が覚めるにしたがって忘れていくものであったが、その中であることとして、
「夢の中で、もう一人の自分が存在している」
 という考え方だった。
 夢の中では、主人公としての自分がいるのだが、夢を見ている自分が主人公になりきって、主人公目線ではないということだった。あくまでも、主人公の自分を観客として見ている自分がいて、そうでなければ、主人公が自分だと分からないだろう、
 鏡のような媒体か、水面に自分を写しでもしない限り、自分の顔を見ることなどできないからだ。
 違ってしまった過去というのは、そういう夢の世界と同じではないかと思うのだった。
 そう思うと、夢というものがどういうものなのかと、いつも考えているが、詰めの近くまできている発想だということを認識しながら、その先にある結界に阻まれて、絶対に超えることのできない何かにぶち当たってしまい、それが強ければ強いほど、
「夢に対して考えることは冒涜なのではないか?」
 と思うのだった。
 だから、
「夢は目が覚めるにしたがって、忘れていくものなのだ」
 ということになるのだろうと、感じていた。
 それを過去に戻った時に、違う世界に飛び出した時と同じ感覚になるというのは、無理もないことだと思っている。
 それは夢を考えた時、結界の先に、タイムマシンというものが見え隠れしていたことが分かった気がしたからだ。
 他の人にはまったく気づくことのないことだとは思っている。なぜなら、自分がタイムマシンの開発者だということだからだ。
 タイムマシンというものがどこまで信憑性のあるものだと考えることは、どんどん深みに嵌っていく自分を見ているようで、それが夢の発想に行き着くということまでは意識していたことだろう。
 慣性の法則を頭の中に描いてもいたはずだ。
 きっとそれらの発想が一つになり、何かの形が見えたことで、タイムマシンを開発できたのだろう。
 だが、そう考えると、タイムマシンの開発は、
「実は、自分の意志には関係なく、何かの力が働いたことで、自分が開発することになっただけではないか?」
 という思いである。
 タイムマシンを開発するというのは、誰でもよかったのではないか。ただ、この時代のこの時に完成するというのがミソであって、その時に行った未来、そこkら戻ってくる過去というのは、誰が開発したタイムマシンであっても、そこに違いはないのではないだろうか。
 つまりは、
「見えない力に踊らされているだけ」
 ということになるのだろう。
 そんなことを考えていると、
「人間なんて、しょせんは見えない何かに操られているだけで、実際にいるのは、ドールハウスのような箱庭なのではないか?」
 という発想である。
 昔、特撮で見た中で、ビルの屋上に、ソックリの形の世界を作っていて、
「あの太陽も空も、すべてドームに写した幻想なんですよ。一種のプラネタリウムと同じ理屈だと思っていただければ分かりやすいかと思います」
 と言われた。
 まるで本当の空のような気がしたが、それが特撮たるゆえんだったのだろう。それを見た時、外からまるでマジックミラーのように、外からは見えるが中からは外が見えないような仕掛けの場所であるかのような想像をした時、自分がその表にいて、中の自分を見ているような錯覚に陥った気がした。他の誰に聞いたわけでもなかったので分からなかったが、最初は、そんなことを思うのは自分だけだろうと思った派、本当は他の人も同じような思いをした人がいたのではないかと感じたのだった。
 タイムマシンを開発できたからと言って、自分だけが特別な人間だという意識があるわけではない、
「タイムマシンなんて、その気になれば、誰だって開発できるんじゃないかな?」
 と実際に途中から考えるようになった。
 そう考えられるようになったことで、開発へのプレッシャーがなくなり、吹っ切れたのではないかと思うほどだった。
 そんな思いがあったから、タイムマシンを開発し、未来に行ったのだ。開発するだけなら誰でもできるのだが、問題はそこからだ。
 どんな発明であっても、それをどのように使うかによって、その特性が問題となる。核兵器の問題だってそうである。
 核兵器の開発は、元々、
「核といわれる原子が分裂する時に、莫大なエネルギーを放つ」
 という理論が発表されたことで、それを兵器として使うのか、平和利用するのかということは、科学者の手を離れた問題だった。
 しかし時代は、帝国主義時代。世界大戦が起こり、そこから、ドイツなどの敗戦国の賠償問題に始まり、共産主義に台頭、さらに世界恐慌によるブロック経済の問題。それによって、
「持てる国と、持てない国」
 の格差が明確になり、戦争機運が高まってきたところに、ナチスの台頭があった。
 世界の覇権をめぐっても戦いは、核兵器にも注目が集まる。まず、ナチスが開発に乗り出したというウワサを突き止めた、アインシュタインが、亡命したアメリカで、当時の大統領である、ルーズベルトに、
「ナチスが核開発を行っている。アメリカもドイツよりも先に核を開発しないと手遅れになる」
 という手紙を出すことで、ルーズベルトは、核開発であるところの、
「マンハッタン計画」
 に乗り出したのだ。
 当時の科学者は、核開発というものに対して、まったく違和感がなかったという。科学者としての本能が、開発に携わることのできるという本懐が遂げられていることへの満足に浸っていたことだろう。
 アメリカという国は、当時、、
「モンロー主義」
 という考えがあり、
「アメリカ本国に関係のない戦争に、何を兵隊を出さなければいけないのか?」
 という考えであった。
 よほどの利権や、アメリカの誇りに訴えでもしない限り、世論が認めるわけもない。アメリカという国は。議会が承認しない限り、大統領令であっても、戦争を起こすことはできなかった。
 だから、参戦のための口実として、
「真珠湾攻撃を日本に仕掛けさせた」
 という考えが主流になっているのだ。
 アメリカが大陸から、太平洋艦隊の基地をハワイの真珠湾に移したことで、日本海軍が狙うのはハワイだということは分かっていた、
 もう一つの可能性としては、アメリカがアジアで権益を持っていたフィリピンだろうが、フィリピンには当然m危険を知らせる電文を送っていたことだろう。
 しかし、ハワイにおいては、敢えて知らせなかったという話もあるくらいだった、
作品名:無限への結論 作家名:森本晃次