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悪魔の保育園

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 デリヘルでは女の子を脅迫であるが、美人局は、
「金を持っている男がターゲット」
 なのだ。
 当然、行動パターンは把握していることだろう。
 まずは女の子が、男に声をかけるか何かして、ホテルに誘い込む。その時、いくらという交渉はしておくのだろう。交渉に合えば、ホテルに入って、男がシャワーを浴びて、女の子に抱き着こうとした時に、美人局が入ってくる。そこで脅迫するわけだが、男側が危ないともし思っていたら、
「入口のところを気を付けておけば、防げるかも知れない」
 というのは、男が入ってくるということは、少なくとも、
「玄関が開いていないと、男は入ってこれない」
 部屋の玄関は、オートロックになっていて、締まってしまうと、フロントからの解除か、部屋の中から開けるしか手はないのだ。
 だから、女はあらかじめ男が入ってこられるように、
「扉のロックが掛からない」
 というようなことをしているはずだ。
「靴をひっかけける」
 などしているはずなので、中に入る時、靴を扉に引っ掛けたりするような行動を取れば、今度はフロントに電話をするか何かをすればいいのだ。
 しかし、男の側は、そんなことに気づかない。
「素人の女の子を抱ける」
 ということに興奮していて、そこに2万や3万くらいは、いいと考えているのだろう。
 しかも、女の子は、ほとんどの場合、手抜きだろうと思われる。
 なぜかというと、お店であれば、リピーターになってくれるかも知れないが、ポン引きやテレクラの場合は、ほとんど、いや、すべてと言ってもいいくらい、一回きりになるだろう。
 というのも、男の方が、同じ相手を嫌がるのだ。
 素人の女の子を抱きたいと思うのは、
「たくさんの女の子と経験したい」
 と思うからだろう。
 そうでなければ、お店でいいからだ。
 店の女の子だったら、いつも同じ店を利用しているのであれば、
「一周すると、また同じ子」
 ということになる。
 つまりは、それが、素人を抱く醍醐味なのだろう。
 そうなると、女の子の方も、
「また選んでもらいたい」
 と考えることもなければ、しかも相手は、
「素人の女の子を求めている」
 のである。
 そう考えると、
「女の子は手抜きをするだろうし、男を気持ちよくしようというサービス精神は皆無に違い」
 それでも、なぜ、素人を求めるというのか、正直分からない。
 そう、分からないだけに、男が何を求めて何を考えているのか分からない。ある意味、形式に則れば騙しやすいともいえるだろう。
 だから、
「こういう金のある男は、自分の保身に走るから、お金を出す」
 ということになるだろう。
 しかし、これが、実は美人局側の盲点でもある。
 美人局など、ちゃんとした組織が計画するようなことではない。たぶん、チンピラか、チンピラに毛が生えた程度の連中が、若さに任せて、売春感覚でやるのだろう。
 だから、男もすぐに金を出すのだ。
 だが、よく考えておかないと、素人が手を出す犯罪には、必ず大きな盲点がある。
 それは、狙った相手が芸能人であったり、学者であったり、などの、
「著名な人物たち」
 だからだ。
 彼らは、守るべきものがあって、お金があるのだ。相手がチンピラだと分かると、お金を使って、こちらも
「その筋の人たち」
 を動かし、相手を探すようなことをするだろう。
 そして、
「彼らには守るべきものがあるのだ」
 つまりは、犯罪者のチンピラたちは、そのあたりのことが分かっていない。
「目の前のお金が手に入ればいい」
 ということだ。
 つまりは、
「守るものがなく、計画性もずぼらな連中」と、
「お金を持っていて、自分を守らなければ今まで築き上げてきたものがある人は、必死で、そいつらからの被害を止めようとするだろう」
 ということだ。
「チンピラたちは、言われることだけをやってお金をもらうだけなので、いくら、謝ったとしても、許してくれないだろう」
 何しろ、彼らが被害者ではないからだ。
 お金に見合うだけ痛めつけて、スマホの写真などを取り上げ、これ以上、何かすれば、警察にいうと脅迫してしまえば、やつらは、もう何もできないに違いない。
 それを思うと、
「実に、浅はかで、まったく計画性のない。行き当たりばったりの計画だ」
 ということだ。
 せめて、調べるとすれば、ターゲットがお金を持っているかどうか、そして人気がどれほどなのか? ということだけで、すべてを把握したつもりになる。
 そんな連中に、
「人を脅迫などできるわけもなく、痛めつけられるのも、自業自得で、誰も助けてくれないだろう」
 すべての証拠は相手に握られているので、どうすることもできない。
「自分たちの頭の悪さを恨め」
 ということであろう。
 ストーカー関係から発展したような犯罪であったが、次のは、少し様子の違う犯罪だ。この犯罪も昔からあるにはあるが、現在は、科学の進歩とともに、その内容が違ってきている。
 というのは、いわゆる、
「詐欺犯罪」
 である。
 昔と違って今は、パソコンやネットなどの普及により、今の詐欺犯罪は多様化してきて、さらに、その犯罪は、
「いたちごっこ」
 の様相を呈していた。
 昔の詐欺というと、詐欺集団が文章偽造などを行ったりという時代があり、それをへて、一番大きな詐欺事件として、昭和の終わり頃に起こった事件があった。
 この事件は、いろいろな意味で注目され、想定していなかった殺人事件まで起こった。さらに、詐欺グループのやり口というよりも、やつらのターゲットに定めた人たちが問題でもあったのだ。
 ある商事会社が、
「会社ぐるみ」
 で関わっていた。
 というよりも、この会社自体が、
「詐欺養成学校」
 も兼ねていて、社員に詐欺の手口を教え込み、社員が実行したというのだ。
 やつらのターゲットというのは、
「年寄り」
 だった。
 当時はまだバブル前で、バブルが弾けてからに比べて、まだまだ個人がお金を持っていた時代だ。
 さらに、銀行に預けていれば、利子で少しは潤うくらいの時代で、今のように、
「預けようが、預けまいが、利子なんてあってないようなもの」
 と言われる時代ではなかった。
 しかも、
「年金を国家に消された」
 などという信じられないような、バカげた事件の相当前なので、年寄りは、
「貯蓄もあれば、年金も十分にもらえる」
 という時代だった。
 定年は、通常は55歳、そして、年金も55歳からもらえたので、中には60歳まで園長して働く人もいただろうが、
「働かなくても、年金で暮らしていける」
 というものだった。
 今は、定年が60歳で、年金は65歳からしかもらえないので、65歳まで働くことは、基本的に当たり前のようになっているのだった。
 しかも、貯蓄などできるほどの給料は貰っていないし、年金も、消されたりしたので、自分たちが貰っていた微々たる給料からさらに、かなり減った形でしか支給されない。
 つまりは、
「明るい老後」
 どころか、
「生き続けるほど、苦しくなる」
 という時代である。
「一体、こんな時代に誰がした」
作品名:悪魔の保育園 作家名:森本晃次