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悪魔の保育園

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 そのことを、マスゴミもSNSで、いつも騒いでいる一部の連中が誰も問題にしようとしないのはどういうことだろう。
 野党も、どうでもいいようなことを国会で追及したりするくせに、こういうことは問題にしない。
 政治家も分かっていて問題にしないのだろうか?
 政治家がそんなに頭のいい連中の集まりだとは思えないが、要するに、それだけ、
「悪知恵が働く」
 ということなのだろう。
 そんな正体が何も分からない中で、しなければいけない対策として、
「緊急事態宣言」
 が発令された。
 店舗には、
「薬局やスーパーコンビニなどの、必要不可欠な業界以外は、休業を要請」
 していたのだ。
 確かに、最初の時は、皆分からずに、恐怖に駆られていたことで、受け入れることにしたのだ。
 だから、街中などは、まるで昔の正月のようだった。
 今は元旦から店が開いているので、こんな光景を見ることは、正月の間とはいえ、まずない。
 むしろ、正月は、人が多いイメージだ。
「初売り」
「福袋」
 などと言って、百貨店はごった返すのだ。
 緊急事態宣言中は、確かにほとんどの店は閉まっていた。
 しかし、その中でも、
「休業には応じられない」
 という店も多かった。
「いくら、補助金が出ると言っても、今までの一日の売り上げにさえ満たない補助金など、正直、何の役にも立たない。それだったら、店を開ける」
 ということだ。
 しかし、店を開けたからと言って、今までのように客が来るわけではない。ただ、閉めていてまったく来ないのを考えると、一人来ただけでも、全然違うという、
「性風俗の店」
 などは、休業はしていなかったようだ。
 そして、やり玉に挙げられたのが、パチンコ屋だった。
「一部の店で、開いている」
 ということが、問題になり、マスゴミなども騒ぎ出すし、国民の中の一部に、
「自粛警察」
 なる変な輩が一定数出てきたことでややこしくなったのだ。
「自粛警察」
 というのは、
「自粛をしていない人たちを政府が裁けないので、自分たちが批判することで辞めさせる」
 というような感じの連中ではないだろうか?
 正直、やつらは何がしたいのかよく分からないので、曖昧な解釈にしかならない。
 自粛警察が騒いでもどうしようもないのだが、自治体は
「要請に逆らうのであれば、店名を公表する」
 と言いだした。
 それでも、店側は、相当なジレンマを感じながら覚悟をもってやっているので、店名を公表されるくらいは気にもしていなかった。
 すると、店名を公表されることで、今度はパチンコ屋側が得をするという、想定外のことが起こったのだった。
 店名を公表するのは、
「公表されると、今後、普通の状態に戻った時、あの店は、休業要請に応じなかった店だということで敬遠されるだろう」
 と思うことで、
「店側もしょうがないから、休業しよう」
 と考えるのではないかと考えていたのだ。
 だが、店側の切羽詰まった状態は、そんなどころではなかった。
「今時点が危ないのに、そんな先のことを考えたりできるはずがない」
 ということで、強行した。
 ひょっとすると、店主は店じまいを考えているのかも知れない。
「店を閉めるにしても、倒産状態では閉めるにも閉められない」
 ということで、やむなくの営業を続けることだったのだ。
 だが、問題は、そこではなかった。
「ギャンブル依存症」
 と呼ばれる人がそれだけいるかということだ。
 いきなり店が休業して、どこにもいけなくなったギャンブル依存症の人は、何とか自分を抑えようとしてきたとして、そこに持ってきて、自治体が、自分のところのホームページに、
「休業要請に応じない店」
 ということで、店名を公表すれば、皆が殺到するのは当たり前というものだ。
 店名を公表された店は、その翌日から、開店前には、長蛇の列ができているというものだった。
 そのせいもあって、パチンコ屋は、何とか売り上げをキープできたことだろう。
 さすがに、休業要請に一度は応じたところが、
「二匹目の土壌を狙って、開店に踏み切る」
 というところはなかったようだ。
 それなりに、パチンコ協会から、通達。あるいは、罰則などが開店に際し、いわれていたのかも知れない。
 もう、こうなってしまっては、自粛警察には手に負えない。
 警察も、
「開いている店に客が押し寄せるのを、縛ることはできない」
 そうなると、想定外のパチンコ屋や、依存症の連中に対してだけ、有利に働いたということでなのだろう。
 何といっても、パチンコ協会からのコメントとして、
「うちの業界の自粛要請に対する協力度の高さは、群を抜いている。しかも、店内は換気が行き届いているので、感染者を出したことはない。ある意味、一番安全なところである」
 と、言っているのだ。
 それに間違いはないだろう。
 その通り、パチンコ業界は、数字だけを見れば優秀だった。
「しかし、なぜ、それなら、パチンコ屋だけが、やり玉にあがることになったのか?」
 ということが問題だったのだ。
 確かにパチンコ業界というのは、イメージが悪い。
 特に、
「三店方式」
 などというものがあるから、余計に曖昧で、今まではナアナアでやってきたことになっている。
 しかし、今回の問題で、一時期だったが、
「パチンコ屋の闇」
 という形でクローズアップされたことがあった。
 それが、前述の、
「三店方式」
 という、パチンコ業界と、警察との癒着だったのだ。
 本来なら、政府の中には、
「パチンコをギャンブルということにしてしまえばいい」
 と言っている人がいるが、それに反対するのが。
「やはり」
 というか、
「当然のごとく」
 問題は警察だったのだ。
 元々、そうやって、苦し紛れにやった対策を、
「いまさら変えるわけにはいかない」
 ということになるのだった。

                 ポツンと置かれたスマホ

 そんなパンデミックも、3年が経ってしまうと、政府も緊急事態宣言や、その後成立した、
「蔓延防止法」
 などというものを発令したくなかった。
 もし発令しても、ただ、
「気を付けてください」
 というだけで、店舗に休業要請であったり、国民に、行動制限を掛けたりはしないものだった。
 それどころかノーマスクと言ってみたり、海外からの流入を抑えるという、
「水際対策」
 まったく取っていないのだから、やはり、
「政府は国民を見捨てた」
 と言ってもいいだろう。
「国破れて山河あり」
 ということになってしまうに違いなかった。
 そんな中で、今回。警察に一件の緊急電話がかかった。その番号が、
「過去に登録した人の番号だ」
 ということが、電話を傍受するその場所では、赤いランプで、
「エマージェンシー」
 の文字が点滅していたのだ。
 事務所内は、きっと、緊張感が走った。
 それでも、電話交換士が電話を取ると、第一声として、いつも通り、
「はい、こちら、110番です。通報の内容は、事故ですか、事件ですか?」
 と聞いた。
 すると、向こうからの返事はなかった。
作品名:悪魔の保育園 作家名:森本晃次