悠々日和キャンピングカーの旅:④岐阜県東濃の旅(明智、岩村)
やがて「柿野温泉」エリアに到着するも、いわゆる温泉センターのような場所はなく、道端のマップに「湯元」の文字が見えたので、そこに向かうことにした。細い上り道を進むと、老舗の大きな湯元旅館が見え、日帰り湯のサービスもあり、入館した。
温泉は階下にあるようで、階段を下り、脱衣所のドアを開けると、バナナの木や南国にあるような木が多数、広いジャングル風呂だった。元々、植物園だった場所を匠の技を持つ名人の手によって改築され、ジャングル風呂になったとのこと。それにしても、注意を要するほど、滑る床、滑る階、湯船に浸かると、ぬるぬる感が異常なほどに強い温泉だった。
湯船に浸かりながら、他の客と話しをしたところ、この「柿野温泉」は名古屋の奥座敷のような場所であり、以前は温泉街もあったが、かなり潰れたとのことだった。
風呂から上がって、妻を待っている間、旅館の方との会話が弾んだ。「ジャングル風呂」はテレビでも紹介されるほどの名物風呂とのことだった。そして、岩村に行くことを勧めてくれた。
柿野温泉から明智の中間地点にある道の駅「おばあちゃん市・山岡」を今夜の車中泊の場所に決め、3桁の国道や県道を走り、最後は急な勾配の坂道を上り、ダム湖の横にある道の駅に到着。最後の急勾配の道は多分、かつてはダム建設のための資材搬送の道路だったのだろう。
山間の道の駅の夜は寒くなりそうだ。トイレやショップに近い場所を選び、駐車した。
道の駅で地元の美味しいものを買って、夕食のおかずにする予定だったが、ショップは既に閉まっていた。道の駅のショップの閉店時間をネットで調べたところ、高速のSAのショップと異なり、かなり早い時間で閉店することが分かった。今後は気を付けることにしよう。だから、この道の駅に到着した時、駐車場には車が1台も無かった理由が分かった。
妻は少し不満そうだったが、夕食が無い訳ではない。車載の食糧や冷蔵庫の中から選んで、妻はカップラーメンとビール、私はウィンナーと野菜ジュース、そして二人で二つの缶詰を食した。食後にコーヒー。こんな内容で十分と思ったが、1泊2日の初日の夕食がこれでは残念。その分、明日の昼食を贅沢にしたい。
車外の気温が次第に下がってきたので、FFヒーターのスイッチを入れた。タイムラグがあるが、床に近い吹き出し穴から温風が噴き出て来ると、幸せを感じる。更に、就寝時の寒さ対策のため、運転席のフロントガラスとサイドガラスにシェード(サーモプロテクター)をセットした。
暫くはビデオを見たり、車載の雑誌のキャンピングカーの月刊誌「オートキャンパー」を読んだり、そして二人で明日のスケジュールを考えた。先ほどの温泉の旅館の方が勧めてくれた岩村、そこはNHKの朝ドラの「半分、青い。」のロケ地だったため、明日のコースは、道の駅→明智→岩村(昼食)→帰路に決めて、寝支度に取り掛かった。
キャンピングカーの中で歩くと、他の人は揺れを感じる。試しに、バンクベッドで大きく寝返りを打ってみたところ、ダイネットで座っている妻はそれで起きる揺れを感じた。その揺れ防止に、車体を固定する「耐震ジャッキ」があるのだが、今後、必要に応じて揃えることにしよう。
今夜、バンクベッドで二人が並んで寝ると、一人が動くともう一人が目を覚ましてしまいそうなため、妻は下で寝たいという。多分、梯子を使ったバンクベッドへの上り下りが嫌なのであろう。
そこで、ダイネットのテーブルをベッドの底板にして、ソファの背もたれのマットをその上に置いて、ダイネットをベッドルームに切り替え、バンクベッドに積み込んだ布団セットを下ろして敷いた。そして妻はその中に入った。
FFヒーターを切った後、私はバンクベッドに上って、布団に潜り込んだ。バンクベッドの天井が低く、布団の上で座るほどの余裕はない。そのため、“布団に潜り込む”ようになってしまう。天井に近い場所に付いているライトを点灯して雑誌を読んでいたが、睡魔に勝てず、消灯して眠りに就いた。
夜中に一度、トイレに行ったが、外はかなり寒かった。バンクベッドに戻り、温かな布団に入った直後、2台の車が駐車場に入って来て、少し大きな声の会話が聞こえてきた。うるさいなあと思っている内に再び眠りに入っていった。
旅の初日を振り返ると、強い横風に揺さぶられて緊張したり、清水用のフォーセットの水量問題が改善されなかったり、カーナビの案内を正しく理解出来ずに道に迷ったり、道の駅に到着した時にはショップは閉店しているし・・・、ネガティブなことが幾つもあった。
一方で、嬉しいことは、美濃焼をじっくりと見ることが出来たこと、じゃんけんに勝って、丼アイスが無料になったこと、ぬるぬるの湯のジャングル風呂に浸かったこと。
以上のプラスやマイナスの比重も考慮に入れて、“旅の満足度”なるものをちょっと考えてみたところ、若干のマイナスか。しかし、道中の景色やそれを見ながらの妻との会話を加味すると、満足した一日だった気がする。しかし、色々な事があった旅の一日を“満足度”という定量的な表現に置き換えるのは誤りではないかと、自己矛盾しているようだが・・・、“今日は楽しかった”とか、“色々あったけど楽しかったね”でいいのではないか。
最後に、今日の旅程について、土岐には、道の駅に立ち寄っただけだったので、次回はじっくりと、美濃焼の里をじっくりと見て回りたい。その時は瀬戸物の瀬戸にも立ち寄りたい。はしご、だ。