軽便鉄道「駿遠線」復活物語
基本イベントは以下のとおりだ。年間通じて、これらのイベント支えるために、袋井駅南口周辺にはかなりの台数を保有できる無料の駐車場がある。
●コーヒー軽便(コーヒー豆の収穫時に運行)
小笠山で採れたコーヒー豆を、蒸気機関車の熱を利用して焙煎し、香りは強いながらも少し酸味のある味わい深いコーヒーを客車の中で飲むことが出来る。メロンケーキが付いている。
・「軽便コーヒー」というブランドが誕生し、レトロなアーケード街の「袋井南口商店街」で販売されている。ネットでも購入は可能で、TVショッピングの販売は好調だ。
・「軽便コーヒー」用コーヒーカップの「軽便焼き」、もちろん軽便蒸気機関車の絵が描かれており、販売は順調。
じいじは、コロンビアコーヒーが好きだが、この軽便コーヒーも捨て難く、毎朝、愛飲している。
●弁慶号と義経号(毎月運行)
軽便鉄道のサイズだが、実際に走る弁慶号と義経号は人気のある蒸気機関車で、鉄道模型では常に人気No.1とNo.2だ。
・走る姿を見て、実際に乗って、北海道の開拓時代を懐古して、その歴史を振り返ることが出来る。
・これらSLはUSAから輸入されたもので、そのオリジナリティに着目したアメリカ好きの人たちの移住が始まり、駿遠線沿いに、西部劇の映画に出てくるオールドアメリカンの町を作ってしまった。
じいじのジオラマで、弁慶号が走り始めた。
●お花見軽便(季節限定運行)
トロッコ列車や自動車のオープンカーのような無蓋車で、その中央にテーブルがあり、座布団も。気温の低い時は炬燵仕様になる。見上げれば桜。客車1両単位の予約を入れることができ、引き込み線の桜の下で2時間程度のお花見を楽しめる。なお、桜以外にも、梅、あやめ、藤、等の花を愛でる時期にも運航される。
●茶摘み軽便(季節限定運行)
引き込み線で茶畑の真ん中へ、昔ながらの絣(かすり)の着物を着て茶摘みを体験しよう。
・ブランド「軽便茶」の誕生
●マイ軽便機関車コンテスト(毎年9月)
あなたの軽便機関車を走らせませんか。蒸気機関車でも、ハイブリッドでも、ガソリンでも、人力でも。その場所を提供します。コンテストと言っても、競う内容ではなく、参加者がお互いに創作活動をたたえ合う内容で、袋井市民の投票で選ばれた機関車は1年間、駿遠線で客車の牽引が託される。
・このコンテストの参加がきっかけとなり、これまで展示されていた静態の機関車が動態保存に替わった。
・車両基地には、参加した機関車を保管出来る倉庫があり、多くの軽便機関車の見学が可能だ。
・このコンテストが、幾つかの軽便鉄道の復活のトリガーになったケースあり。
小中学生の自由研究の作品が出品されるケースもあり、強化段ボール製の人力機関車は見ていて楽しい。孫が友達と一緒に参加したこともあった。
●海水浴軽便(7~8月)
駿河湾の海水浴場(御前崎、相良、静波(しずなみ))の波打ち際までお客様を運び、帰路はどこでも停まってお客様を降ろことが出来る。なお、遠州灘は沿岸流や離岸流が発生するため、遊泳禁止になっている。
・海水浴客以外の釣り、地引網、パラセーリング等のマリンレジャーのお客様も大歓迎。
●軽便コンサート(5月、11月)
お花見軽便のイベントの際のカラオケがきっかけで、一度、走る軽便の上に小さいながらもステージを設け、バンド演奏にトライしたところ、悪くはないという結果だった。
浜松を中心とする静岡県西部を対象に、走る軽便での“動く屋外コンサート”の出場バンドを募集したところ、主催者側の予想以上の参加数となり、秋の夜長、田園風景の駿遠線の左右に観客席を設け、約1kmの距離をゆっくりと走行しながらの演奏だ。
ブラジルのリオのカーニバルではないが、小規模ながら、その雰囲気があり、毎年、この軽便コンサートがきっかけで、デビューするアーティストが増えていった。浜松の楽器メーカーの協賛もあり、さながら「ポプコン(ヤマハポピュラーコンサート)」の復活のようだ。
●ラーメン三昧軽便(3ヶ月毎)
ラーメンをとことん腹一杯食べることが出来る二つのイベントが開催される。
・軽便列車が駅に停車する度に、各駅の駅舎内で作られるラーメンが運び込まれ、次の駅に到着するまで食べきることを延々と食べ続けるイベント
・客車内に幾つものラーメン屋台が出店し、そこで作られるラーメンを全て食べ尽くすイベント、1両の客車に3つの屋台、2両、3両と長くなるに連れ、屋台の数は増え、食べるラーメンも増える。
日本の各地にあるラーメン横丁の動くパターンで、動態保存中の軽便ならではのイベントだ。なお、ラーメン丼の大きさは通常のサイズより少し小さいため、多くの種類のラーメンを食べることが出来るため、ラーメンマニアにとっては嬉しい。
このイベントの効果で、レトロなアーケード街の「袋井南口商店街」には、幾つものラーメン店舗があり、ラーメン店をはしごする客もよく見かける。
●お祭り屋台軽便(地元の祭りは10月、日本中の祭りは7月)
袋井市の各地のお祭りの前夜祭で、軽便が牽引する貨物車に祭り屋台を乗せて、法被姿で、トントン、ピーヒャラ、トントン、ピーヒャラ。
日本各地の有名なお祭りの宣伝(集客)目的で始まったが、次第に、日本のお祭りを紹介するイベントの体を成してきた。日本中のお祭りが集まるため、外国からの旅行ツアーに組み込まれている。例えば、青森の「ねぷた」、京都の「祇園」、博多の「山笠」、等々。
●赤ちょうちん軽便(11月~3月)
おでんや焼き鳥を食べながらの一杯、恋人とワイングラスを傾けるクリスマス、仲間でワイワイ忘年会・新年会、少し揺れる客車が酔いを誘う。袋井駅からは、御前崎までの往復2時間コースの人気が高い。
このイベントが開催される期間は、袋井駅南口では幾つかの赤ちょうちんの屋台が並ぶ。
このようなイベントに参加された人たちはSNSでの情報配信にはインスタ映えの写真も含まれ、それが拡散されるため、駿遠鉄道株式会社からの広告宣伝は殆どない。ネットのHPにイベント計画を載せさえすれば良い。
作品名:軽便鉄道「駿遠線」復活物語 作家名:静岡のとみちゃん