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泡の世界の謎解き

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「当日、前日のキャンセルは、キャンセル料が、80%などということもある。ひどい時は全額などというのもあり、さらに、次回から予約ができなくなる可能性があると、店からくぎを刺されてしまう」
 ということがあるからであった。
 それでも、よほどのことがない限り、そんなことがないようにはしている。仕事が休みで、呼び出しなどないとか、そんな時にしか予約はしないからだ。
 ちなみに、先ほどのパネルマジックこと、パネマジのことだが、これには二つの理由があるという。
 一つは、
「店側が、女の子を綺麗に撮影して、言い方は悪いが、客を欺こうという魂胆が考えられる」
 というもので、客の多くはこの理由を忌々しいと思っているかも知れない。
 しかし、もう一つの理由を聞けば、
「それも仕方ないことなのかも知れないな」
 と感じることだろう。
 というのは、二つ目の理由として、
「身バレしないようにするため」
 というものである。
 写真を合成することで、写真を見ただけで、知り合いが見れば、本人だと分かってしまうというのは、こういう商売をしているとまずいこともあるだろう。
 昼職を持っていて、その会社が、
「副業禁止」
 などといっていれば、風俗でなくとも、会社を首になってしまう可能性もあるだろう。
 さらに学生だったりすると、大学を除籍などということもありえる。高校生なら、退学処分と同じであろう。
 また、風俗嬢が主婦だったりすれば。離婚問題に発展もしかねない。中には、家計のために、働いている人もいるだろうが、中には、ストレス解消に、たくさん買い物をしてしまって、その払いにサラ金を利用してしまったという場合。さらには、
「ホストに入れあげてしまって、ホストに通うためと、お気に入りの男に貢ぐための金欲しさ」
 という目的で、風俗嬢になる女性も決して少なくはないだろう。
 つまり、決して旦那や家族にバレてはいけないことである。家庭崩壊に繋がりかねないことであり、その人からすれば、
「自業自得」
 なのだろうが、家族とすればたまったものではない。
 家族の中には。
「そんなお母さんなんか、いらない」
 という子供もいるだろうが、家族を裏切ったことに変わりはなく、自業自得というだけでは済まされないことになるだろう。
 結果、慰謝料問題に発展し、離婚されてしまうと、生活できなくなることで、風俗を続けなければいけないということになり、それこそ、本末転倒だといってもいいだろう。
 風俗嬢になる人には、いろいろな事情もあるだろう。昔から言われているような、家族の借金、それも、父親が自営業をしていたりして、倒産の憂き目に遭い、借金だけが残ってしまったのを見かねた娘が、風俗嬢になって、借金を返すというような話も少なくはないだろう。
 そして、先述のような、ホストに狂ったり、衝動買いをするなどと言った、
「自業自得的」
 なことで、風俗嬢になる人もいる。
 しかし、最初から目的をもって、風俗嬢になった人もいるだろう。例えば、
「ここで金を儲けて、自分の店を持ちたい」
 なとどいう目的を持った人である。
 それはそれで素晴らしいと思う。客もそんな女の子であれば、素直だろうし、律義だと思うことで、同情ではないが、応援したいと思うかも知れない。前述の二つのパターンに比べれば、健全で、しかも、同情のようなジメジメした感情にならない分、実に接しやすいというものだ。
 最初の、借金がらみであれば、同情をしてしまうと、せっかく自分が風俗に来ているのに、何か後ろめたい気分になりそうで嫌だった。
 いや、今のは正確ではない。本当は後ろめたさなどない。後ろめたい気分にさせられそうで、そんなあざとい話に対して、自分の気持ちが冷めてしまうことが嫌なのだ。
 苛立ちを覚えるといった方が正解で、本来なら、
「そんな話は聞きたくない」
 と感じることだろう。
 そのために、
「お互いにプライバシーにかかわりたくない」
 というのは本音であり、世間話くらいならいいが、下手にプライバシーに入り込んだり、ましてや説教などを垂れると、本当に嫌われてしまうことになるだろう。
 中年くらいの人に多いらしいのだが、
「どうして、こんな仕事をしているの?」
 であったり、
「家族は知っているの?」
 あるいは、仕事や学生であれば、どこの大学なのか? などということを聞くのは、本来ならタブーである。
 それでも、中にはそんなことを聞いてくる連中も中にはいるのだろうか? 風俗を利用している人間からしても、そんなやつがいまだにいるのだとすると、
「同じ人種だと、女の子に思われたら迷惑だ」
 と感じてしまうのだ。
 風俗嬢の中には、本当に男性に奉仕をするのが好きだったり、単純に、セックスが好きだという女の子も結構いるだろう。ひょっとすると、それが一番健全な理由なのかも知れないと思うのだが、それあれば、お互いに遠慮などいらない。思い切り、ルールの中で楽しめばいい。
 もちろん、サービス業なのだから、他の業種と同じで、NGなことはたくさんある。
「女の子の嫌がること」
「連絡先を強引に聞き出す」
「店の外で会うことを強要」
 などというのもあれば、
「不潔などという生理的に受け付けない」
 というようなものもあるだろう。
 風俗というのは、一種の、
「遊び」
 であり、そこには、
「お金で時間を買い、その時間内に、サービスを受ける、そしてそれが肉体的に、そして精神的な癒しを受けるということにつながるのだ。それが、疑似恋愛という形である」
 風俗というのは、最近ではいろいろなバリエーションも増えてきて、店も増えてきている。
 店の業態として、値段で切り分ける、
「大衆店、格安店」
 そして、
「高級店」
 に分かれているというのも、その一つだが、実はそれ以上に大切なのが、
「店ごとにコンセプトを持っている」
 ということだ。
 いろいろあるのだが、ソープならではのサービスを売りにしているところである。たとえば、
「マット専門店」
「コスプレ専門店」
「SM専門店」
 などという、店も結構ある。
 分かりやすいコンセプトを持っていると、それぞれ、その人の性癖であったり、求めているものがハッキリしていることで、お店選びに困ることはない。
 ネットや、風俗雑誌で探すというのが、主流だが、実際に、現地まできて、無料案内書で相談してみるという人も多いことだろう。
 すると、相手はまず、
「どういったお店をお探しですか?」
 と来るはずだ。
 そこで、コンセプトがハッキリ決まっていないと、
「じゃあ、どのような子がいいですか? 若い子がいいか、ベテランの人に任せるのがいいか?」
 などと言った、相手に求めることを聞いてくる。
 だから、最初にコンセプトが決まっていれば、それに似合う店をピックアップしてくれるので、あとは自分の好みの女の子を伝えるだけだ。
 例えば、
「キレイ系よりかわいい系だ」
 とか、
「胸は大きいに越したことはない」
 などと言った、恋人選びをすればいいのだ。
 お金を払って遊ぶのだから、遠慮などする必要などない。下手に遠慮して、
「地雷」
作品名:泡の世界の謎解き 作家名:森本晃次