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泡の世界の謎解き

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 今ではそれも禁止され、ほぼ、呼び込みもない。さらに、歓楽街にはいくつかの、
「無料案内所」
 のようなものが設置されていて、そこで、お店の情報などを聞いて、よく分からない人でも、女の子の好みや、店のコンセプト、さらには、軍資金の額によって、いろいろアドバイスをしてくれ、決まったら店に連絡をいれ、スタッフがそこまで迎えに来てくれるというところがほとんどであった。
 そういう意味で、昔からの。
「怪しげな営業」
 というものはなくなり、街全体が市民権を得ているといってもいいだろう。
 とはいえ、すべての店が安心安全というわけでもないだろうから、利用するなら、それなりに、事前情報を仕入れておくに越したことはないだろう。それは風ぞ気を利用するということに限らず、飲食店であったり、施設の利用に際しても、誰もが普通にしていることだ。
 ソープランドなどの、特殊風俗営業だからといって、かしこまることはないが、情報を正しく仕入れ、判断する力は必要だということである。
 この物語は、そんな性風俗特殊営業の中の、ソープランドに起こった事件についてのお話であった。

                 早朝営業のお店

 F件F市の中央区にある西日本最大ともいわれる歓楽街、ここは、JRの玄関口である街とさらに、中心街と呼ばれる繁華街とは、二キロほど離れて存在していた。飲み屋から性風俗街といわれる歓楽街は、その二つの都市の間に存在していた。
 その地域の南部、いわゆる、一丁目と呼ばれる地区だけが、ソープランドを営業できる地域となっているので、そこには、数十件というソープが所せましと営業していた。
 一つのビルにいくつものソープが入っていたり、中には系列店を持っていることで、一つのビルが、すべて系列店というところもあるようだ。
 無料案内時も、数か所あり、大通りに面した目立つところから、街に入った途中にひっそりと営業しているところもある。
 中には、店舗が副業の形で、無料案内所を設置しているところもあり、そこで聞くと、当然のごとく、自分の店に客を誘導するということになるだろう。
 それは別に悪いことではない。自分たちの店に誘導するのは当たり前のことであり、もちろん、虚偽の広告があったり、客を騙すようなことがあれば問題だが、そんなことをするところもないだろう。
 今の時代は、ネットも普及しているので、下手な商売をやっていると、ネットでウワサニなってしまい、営業もままならなくなってしまう。
 このような業界なので、ネットに投稿する連中も、いろいろあることないこと書きたてるかも知れない。経営者側も、下手な対応はできないだろう。
 今は、店のスタッフも従業員の女の子も、健全でなければ、まず客は来ないといってもいいだろう。
 なんといっても、安いものではないのだ、ソープの利用料は、どんなに安くとも、二万円以上というのが相場だ。高級店などになると、十万単位というのも珍しくはない。予算にあった店を探すのも利用者にとっては大切なことなのだ。
 一口にソープランドといっても、いろいろある。
 まず価格帯によって、数種類があるのを覚えておいていただきたい。
 まずは、昔からのソープランドで、高級店と呼ばれるものだ。一通りのソープのサービスはすべてあり、金額も六万円以上というのが相場だろうか。
 待合室も高級で、スタッフからも、女の子からも、まるで王子様扱いされるようなところである。
 今は受動喫煙の問題があるので、待合室で大っぴらにタバコを吸えないが、昔は、高価なシュガレットケースにタバコが置かれていて、吸い放題だったのだ。スタッフが火をつけてくれるところもあり、本当に王様気分を味わえるくらいだった。
 ただ、さすがに今は、そんな高級店ばかりではない。大衆店と呼ばれる店も出てきた。
 大衆店というと、予算とすれば、三、四万円くらいが相場になるだろうか。高級店のような感じというよりも、どちらかというと、フレンドリーな感じで、待合室なども明るく、テレビなどが映っていたりして、本当に、
「大衆食堂」
 のような活気のようなものを感じることができるだろう。
 さらに、大衆店よりも、さらに安い、
「格安店」
 などというものもある。
「性風俗を味わいたいが、お金がない」
 という人が手っ取り早く利用するという意味で、三万円以下で利用できるというお店である。
 そういうところでは、よほどテキパキやらないと、時間が迫ってくる。充実した会話など、なかなかできないのが実情だったりする。
 そんな大きく分けて三つの価格帯のソープランドであるが、それもいろいろと趣向が違っているといってもいい。
 昔のように、本当に高級店しかなかった時は、
「ソープというのは、特別な空間」
 というイメージだったが、今では、
「本番なしの性風俗」
 ということで、ヘルスや、出張ヘルス、いわゆるデリヘルなどという商売もあり、ソープも多様性を求められるようになってきたというのが実情であろう。
 店舗型の性風俗をよく利用するやつから聞いた話として、
「ホテルや自宅に呼んでサービスを受けることの何がいいんだろうな?」
 ということを言っていた。
 自分がいるところに女の子が来てくれるということで、ドキドキ感が味わえるというのであれば、確かに、自分が女の子のところに行くのも、同じようなドキドキである。
「風俗の醍醐味は、最初の対面の時だ」
 と思っているが、その楽しみというのは、長いほどいいだろう。
 そうなると、相手を決めて、予約を入れるところから、そのドキドキは始まっている。ということは、店舗型だと、数日前から予約をして、その日のその瞬間が来るのを楽しみに待っているが、出張の場合は、イメージとしてであるが、いきなり店連絡することの方が多い気がする。もちろん、店舗に向かう場合も、急にムラムラして店に行きたくなる気持ちになることもあるだろうが、経験上、そういう時は、
「地雷を踏んでしまう」
 ということが多いような気がする。
「地雷」
 とは、外れを引くというような意味で、自ら引いたものが外れだったということだ。
 特に、風俗店というのは、パネマジと呼ばれる「パネルマジック」があるため、仕方のないところもある。
 数日前から予約しておけば、まだほとんどの女の子は予約が入っていないだろうから、選び放題だ。いきなり言って。
「今から」
 などというと、人気嬢は、すでに予約がいっぱいなのもしょうがないだろう。
 そういう意味で、ソープに行く時は、数日前からの予約を当然のこととしている。ただ、数日前から予約をしている場合のデメリットも考えないといけない。
 というのは、数日前から、行ける時を物色した時、一番気に入っている女の子が、休みだったり、予定を入れていないこともある。だが、前もって予約を入れてしまっていると、その後に、ちょうど自分が行けるそのタイミングでお気に入りの女の子が予定を入れて、
「しまった」
 ということになりかねない。
 さらに、あまりにも早く予約をしていると、急な何かで行けなくなったりした場合、分かったのが前日だったり、当日だったりして、店側の話として、
作品名:泡の世界の謎解き 作家名:森本晃次