小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

泡の世界の謎解き

INDEX|2ページ/26ページ|

次のページ前のページ
 

 ちなみに、パチンコはギャンブルではない。確かに、最終的にはお金に代わるものであるが、パチンコ店の中でまず景品に交換し、それを今度は、表のどこかにある、
「景品交換所」
 というところで、現金に換えてくれることになる。
 この場合の、交換所というところは、パチンコ店とは表向きには何の関係のないところが営業していることになっている。だから、昔は、景品に交換してもらった場所で、景品交換所の場所を聞いても、教えてはくれなかった。パチンコ店とは関係がないということだからであろう。
 それを、三店方式という。このやり方は、元々大阪府警が、パチンコ店を取り締まりたいが、時代背景的にできなかったということで、パチンコ店を容認するやり方として考案したとされている。だから、パチンコは、ギャンブルではなく、遊戯になるのだ。
 だから、扱いとしては、賭博場というよりも、ゲームセンターに近い形の、
「遊技場」
 ということになるのだった。
 最近は、パチンコ屋も大変である。
 特に、ここ二、三年というのは、世界的な伝染病の流行、あるいは、受動喫煙防止法によって、客足が完全に遠のいてしまっている。しかも、伝染病が流行し、緊急事態宣言なる、意味の分からない政策を政府がとったために、社会活動がマヒしてしまった。
 しかも、最初の緊急事態宣言においては、パチンコ屋が営業していることが社会的な問題になり、完全にマスゴミの射程となってしまった。
 実際には、パチンコ店というところは、業界全体から考えれば、高確率で、自治体の要請を守ってきていた。他の業界の方が、率からすれば、たくさん営業していたのに、攻撃されたのは、パチンコ店だったのだ。
 しかも、他の業界では、感染者が出て、クラスターなる、一斉感染が起こっていたのに、パチンコ店では皆無だったのだ。
 もちろん、それには理由がある。
「ちょうど緊急事態宣言が起こったその時、法律で、受動喫煙防止法なるものが施行されたことで、パチンコ店には、換気をよくするための設備投資が余儀なくされ、図らずも、パチンコ店の空気は他の店に比べてよくなったのだ」
 という事実もある。
 確かにそれまでは、パチンコ店というと、遊技台の前に灰皿があり、喫煙者が我が物顔で蔓延っていたのだが、それがなくなった分、一番換気のいいところに変貌した。これはゲームセンターなどにも言えることだが、換気施設という意味ではパチンコ店の方がすごいことだろう。
 やはり、昔からのギャンブル性の高いというイメージが強いのだろう。
 前述のように、本来であれば、パチンコは遊戯であって、ギャンブルではない。それを許してきた社会に対しての、市民の怒りが、この時とばかりに爆発したといえよう。
 だからといって、彼らの生活を脅かすようなことをしてもいいのだろうか。もちろん、煽った連中が一番悪いのであり。世間の何も知らない連中、さらに、売り上げを上げるためなら何でもありというマスゴミ。そして、さらに、そんな世間に乗せられてしまった行政など、どれほどたくさんの罪深い連中がいたことだろう。
 冷静になれば、ひどいことをしたと後になってから思う人もいるだろうが、それは個人レベルであって、マスゴミや、政府などの行政は、まったく反省などしていないに違いない。
 その証拠に、マスゴミも、政府も、何年経っても、
「感染が拡大すれば、判で押したように、緊急事態宣言を掛けるだけ」
 ということである。
 何なら新しい対策を考えるでもなく、感染が落ち着いても、流行と、その減少を検証などしていないに違いない。
「経済を回す」
 といっておいて、かたや、緊急事態宣言の大安売りでは、誰も政府のいうことなんか聞いたりしないだろう。
 いくら時短営業を呼び掛けても、納得がいく支援金がある人は店を閉める。そうでない人は店を開ける。ただそれだけである。
 しかも、その支援金も、収入によるものではなく、完全に差別待遇となっていることから、
「店を閉めれば閉めるほど、儲かる」
 などというところも出てくるのだ。
 病院だってそうだ。
「伝染病患者を受け入れたところには補助金が出る」
 ということで、受け入れたことにして補助金だけを騙し取っている病院がどれほど多いことか、これも社会問題になっていた。
 これが、国や自治体のやることで、そんなことをしているから、
「飲食店だけにばら撒きだ」
 といわれ、
「差別だ」
 といわれるのだ。
 とにかく政府と自治体は、お互いに責任の擦り付け合いをするだけで、まったく苦しんでいる市民と向き合おうとはしない。医師会だったり、経済界に忖度するだけで、自分たちの保身しか考えていない政治家ばかりだから、日本という国は舐められるのだ。
「私の責任で、対策を講じます」
 といって、本当にその責任をとれる政治家が果たしてこの日本にいるのかどうか。疑問でしかない。
 数年後にどうなっているか、歴史が答えを出してくれるであろう。
 そんなパチンコ店が、緊急事態宣言中にやり玉に挙がったのは、マスゴミによる陽動と、
「三店方式」
 という形が、警察の手によって作られたものなので、警察も迂闊に手を出せないというところの世間の不満が爆発したのではないかともいわれていた。
 しかし、それ以上に、あの時に露呈したリアルな問題があった。
 というのは、パチンコ店を攻撃したことで、
「空いているパチンコ店がある」
 ということが、ネットで騒がれるようになり、皆が開いている店に集中してしまうという弊害であった。
 余計に煽ってしまったことになってしまい、マスゴミもパチンコ店の問題を取り上げる。
 当然インタビューのため、記者が赴くと、いくら店の名前を伏せたとしても、まわりの風景などから、分かる人には分かるのだ。
 しかも、他県から遠征してくる人もいるくらいで、下手をすれば、大阪まで山口からやってくる人もいたくらいだった。
 開店前には、店の前に長蛇の列。新台入れ替えの日でも、ここまでたくさんは並ばないというほどであろう。
 近所の人がインタビューを受けて、迷惑がっているところを映したとしても、だから、どうにかなるというわけでもない。ただ、話題になっただけで、パチンコが好きな人、ストレスをどのようにして発散させていいのか分からず、とりあえず、やってくる人、さまざまであろう。
 テレビのワイドショーなどでは、
「マスコミが煽るから客がいく」
 というコメンテイターもいたが、
「じゃあ、お前たちは何なんだ?」
 といいたいくらいで、それを、
「目糞鼻糞笑う」
 というのであろう。
 そんな状況を見ていると、国が発した、
「緊急事態宣言」
 というのが、何なのか、バカバカしく感じた人も少なくはないだろう。
 なんといっても、パチンコ店は、
「店を開けないと、どうにもならない」
 といってもいい。
 一日の売り上げが、数千万というところがあり、そこから家賃はいろいろな経費を差し引いて、それが儲けになるのだ。
 売り上げがなければ、人件費保障、家賃、その他の機種の維持費などを考えると、一日何百万と出ていくことになるのだろう。
 それで、
「店を閉めれば、一日数万円」
作品名:泡の世界の謎解き 作家名:森本晃次