ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座
私は思い切って、同級生の外科医に相談した。
手術をすすめられるかとヒヤヒヤしたが、彼はあっさりと、
「そんなもん、病気のうちに入らんよ。これでもつけて、様子みたら」
と言って、Kという座薬を私に渡してくれた。
私は二週間ぐらい半信半疑で使用したが、不思議なことに痔は縮小して治ってしまった。
私は彼を見直すと共に、その座薬に心から感謝した。
その薬は、大腸菌の成分を原料にして作られたものである。
どういうメカニズムで大腸菌が痔に効くのかわからないが、たいしたものだ。
痔を悪化させるのは、生活習慣と食べものである。
一番悪いのは、便秘、同一姿勢を長時間とること、妊娠、出産などだ。
私の場合、妊娠、出産は関係ないから、原因になったのは、同一姿勢である。
インターネットマージャンにはまって、一日中、座ってパソコンに向かっていたためだ。
しかし、これはインターネットマージャンだけの責任ではない。
地球環境にも問題がある。引力のためだ。
引力のために、血流は肛門周囲にうっ滞するのである。
今、古川さんが、宇宙ステーション「のぞみ」で、無重力が人体に及ぼす影響について研究中だが、宇宙では痔がどうなるか、聞いてみたい。
おそらく、宇宙空間にいれば、いくらインターネットマージャンをやっても痔にはならないのではないか、と思う。
次回の打ち上げでは、ぜひ、宇宙と痔の関係をテーマに研究してもらいたいが、無理だろうか。
作品名:ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座 作家名:ヤブ田玄白