ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座
朝から仕事に追われていたが、お昼過ぎから少し暇になって本など読んでいた。
口さびしいので、一年ぐらい前に買ってあった「ハッカ飴」を口に入れた。
大きさはふつうのキャンデーと変わらないのだが、溶けるのに時間がかかるため、一つ口に入れると三〇分はもつ。
ところが、しばらくすると、お尻がムズムズしてきた。
ハッカ飴を口に入れたこと以外、思い当たる原因はない。
もしやと思って、Wikipediaで調べてみた。
すると、ハッカにはメントールが含まれていて、メントールの薬理効果に血管拡張作用があるという。
ハッカがお尻の血管を刺激したに違いない。
まだ少し残っていたが、思い切って口から吐き出した。
一〇分ぐらいたつと、ムズムズは消えた。
やはり原因はハッカだったのである。
内痔核は、肛門内部の直腸静脈叢が拡張して、蛇がトグロを巻いたように固まった状態だ。
ひどくなると、手術することもある。そのための専門病院があることも知られている。
尾籠な話が続いて恐縮だが、以前、脱肛になったこともある。
何日も戻らず、ゆううつで仕事に行くのが嫌になった。
たかが痔ぐらいで、と思うかもしれないが、一日中、お尻の外に余計なモノが出ていると、何ごとにも集中できなくなる。
この痔さえなかったら、どんなに幸せだろう、という気持になった。
作品名:ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座 作家名:ヤブ田玄白