ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座
「うつ病」になりやすい人は、責任感の強い几帳面な人だ。
そういう人が、病気と気付かずに過労を続けると、耐えられなくなって死を選ぶことになる。
「うつ病」にならないためには、いい加減な人になるよう努力しなければならない。
「うつ病」で自殺しないためには、無責任な人にならなければならない。
振り返ってみると、私は責任感の強い人間である。
何ごとも人のせいにはできない。
卑近な例で恐縮だが、ゴルフショップのおにいさんに勧められて買ったドライバーを持ってコンペに出た時、OBを連発したが、決しておにいさんのせいにはしなかった。
インターネットマージャンで、「国士無双」と「大三元」を続けてフリ込んだ時も、インターネット回線の異常のためだとは思わなかった。
まじめな話、医者は「うつ病」になりやすい。
最近、勤務医の過重労働が問題になっている。
小児科の医者が「うつ病」になって自殺して、労災認定を受けたこともあった。
医者の過重労働は、私が若い頃からあった。
大学を卒業して間もない頃、仲間の若い医者が過労とストレスで「胃潰瘍」と「うつ病」になって入院したことがある。
教授回診の時、受け持ちの医者が病状を説明したが、教授は、
「ストレスで潰瘍が起こるなどと、非科学的なことを言ってはいかん!」
と激怒したそうだ。
ストレスの原因はその教授にあったらしいのだが、教授がその事を知っていたかどうかはわからない。
後年、その教授が大学を退職して別の病院の院長になったが、その病院では、部下が大学病院の医者のように、素直に言うことを聞かなかった。
そのため、元教授はイライラがつのって、胃潰瘍になったそうだ。
しかし、元教授は「うつ病」にならなかった。うつ病になるには神経が丈夫過ぎたのだろう。
作品名:ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座 作家名:ヤブ田玄白