ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座
うつ病
「うつ病」は現代の重要な病気である。
今朝も通勤の電車が遅れたが、人身事故のためだった。
「人身事故」のかなりの部分に、このうつ病が関係している。
「うつ病」は、心身の過労によって、脳内の神経伝達物質の「モノアミン」が不足するための、精神の変調と考えられている。
簡単に言うと、脳が疲労のために働かなくなって、固まってしまった状態である。
一番の目安は、楽しい感情がでなくなって、世の中の景色が灰色に見えるようになることだ。
したがって、「うつ病」は一般には「心の病」と考えられているが、生理的物質の欠乏という意味で、「身体的な病気」ともいえる。
「うつ病」がこわいのは、自殺の原因になるからである。
年間の自殺者は10年ぐらい前から徐々に減少して、3万人を下回っているが、コロナの影響もあるらしく、再び増加の傾向を示して、現在は年間21000人を越えている。(厚生労働省自殺対策推進室 令和3年3月)
同年の交通事故死は2839人だから、約10倍という悲しい数字だ。
それも、ピークは20歳前後の若者ではなくて、40-50代の中年サラリーマンである。
一年に2万人というと、単純計算では一日60人が自殺していることになる。
「自殺」といっても、好きで死ぬ人はめったにいないから、
何かの原因で死に追い込まれる。つまり他殺といってもよい。
作品名:ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座 作家名:ヤブ田玄白