ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座
頭痛の原因で一番多いのは「筋収縮性頭痛」である。
長時間、パソコンで仕事したり、インターネットに夢中になったりすると、首の筋肉から後頭部にかけて痛みが出る。
そのほかに、「片頭痛」、発熱による頭痛、外傷による頭痛などがある。
いろいろ調べても原因のわからない場合もある。
それでも根気よく調べると、小さい黒っぽいものが見つかることがある。それが「頭痛のタネ」だ。
生命に関わる頭痛は、脳内の出血である。
クモ膜下出血では、頭が割れるように痛い。
頭の中で出血すると、死ぬほど痛いらしい。歩いて病院に来られることはない。
だから、歩いて病院へ来て、
「先生、頭が痛むんですけど、脳梗塞でも起こしたんでしょうか?」
と心配する人は、大したことはないといえる。
〈テレビの『本当は怖い家庭の医学』などの見すぎだろう〉
と思っても、私の説明だけでは信用してもらえないため、大病院の脳外科に丁寧な紹介状を書いて患者さんにお渡しする。
書き終わって、患者さんが診察室を出る頃、私はいつも頭が痛くなっている。
作品名:ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座 作家名:ヤブ田玄白