ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座
『メタボリックシンドローム』と診断されたあとは、保健指導が行われる。
保健指導には、「動機付け指導」と「積極的指導」の二種類がある。
一般の方にはもちろんだが、私たち医者にも分かりにくい用語だ。
「動機付け指導」とは、食事や運動等の指導を一回行って、3か月後に結果をみるものだ。
それに対して「積極的指導」とは、何度も繰り返して指導を行うものである。
指導を「支援」と呼ぶこともあり、〈個別支援〉や〈グループ支援〉が行われる。
これらの用語は、厚生労働省のお役人が作った言葉だが、
〈グループ支援〉を「グループ交際」や「援助交際」と勘違いする人が出ないよう、十分注意する必要がある。
先日、私たちの病院でも恒例の職員健診があって、腹囲測定も行われた。
事務の女性係員が、私の腹にメジャーを巻いて、親切に測定してくれた。
測定後、微笑みながら、「85cm」と記入した。
親切そうに見える割には冷たい仕打ちだった。人は見かけによらない。
血液検査の結果によっては、私も保健指導の対象になるかもしれない。
そうなれば、グループ支援かグループ交際の通知がくることだろう。
楽しみでないこともないが、メンバーは皆同じ体型なのだろう。
あまり期待しないほうがよさそうだ。
作品名:ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座 作家名:ヤブ田玄白