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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座

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 「メタボ」が有名になったためだろう。
すこし太った人は、「メタボ君」などと、親しみをこめて呼ばれるようになった。
「メタボ君」は小肥りで、愛嬌があって、悪い人ではなさそうな印象がある。
しかし、「メタボ君」だからといって気を許してはならない。腹が出ているだけでなく、腹黒い人間は私の周囲にたくさんいる。

 問題は医者自身がメタボの場合だ。
そういうとき医者は、
「あの基準は少しおかしいよ。85センチなんて・・・。デパートヘ行けば、85センチのスラックスいっぱい売ってるでしょ。だから、そんなに異常じゃないってことだヨ。あんまり気にしなくていいヨ。
別に病気ってわけじゃないんだから」
と患者さんには、いつになくやさしい言葉をかけるはずだ。

 もうすこし謙虚な医者は、自分のようにメタボにならないよう、日本の古い諺(人の振り見てわが振りなおせ)を持ち出すだろう。
この場合は、〈人の腹見てわが腹なおせ〉と言い換えられるかもしれない。

 平成20年から「特定健診」いわゆる「メタボ健診」が実施されている。
肥満をターゲットにして、生活習慣病を予防するのが目的だ。
かつて、この政策が立案段階の時期に、当時の厚生労働副大臣二人によるトライアルが行われた。
お二人とも立派な体格だった。
二人のうち一人は、努力の末、体重と腹囲を減らすことに成功したが、もう一人は目標を達成出来なかった。
このように、厚生労働副大臣でさえ難しいのだから、一般の人にとって、メタボを克服するのは生易しくないのは十分予想できる。