ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座
アルコールを飲みすぎると、血液中に増えるのが、γGTP(ガンマ、グルタミルトランスペプチダーゼ)という肝臓の酵素である。
一般には、五〇以下が正常値だ。
男女差があって、男のほうが高いが、飲酒のためと考えられている。
しかし、女性でも男性に負けず高い人もいる。
γGTPは、「酒が強い、弱い」に関係ない。
酒を飲めば、顔に出ない人でも、γGTPにはあらわれるから、一番よい指標になる。
アルコール性肝機能障害の患者さんは、病気を治そうという積極的な意欲に乏しい人が多い。
アルコールをやめれば治るとわかっていても、アルコールをやめるくらいなら、肝機能障害が少しあってもかまわないと考える人が多い。(その気持ちは、私にもわからないではない)
そういう人でも、検査の前夜だけは控えているようだ。
大変よい心がけだが、検査の一年ぐらい前から控えていればもっとよいだろう。
こういう人たちは、健康診断や病院での受診のたびに血液検査を受けるが、検査の成績は一向に改善しないものだ。
検査だけしても、病気はよくならないからだ。
〈毎日体重計に乗っても痩せないのと同じだ〉と思っていたが、同僚のS先生の奥さんに言わせると、「そうではない」そうだ。
痩せるらしい。(奥さんはまだ効果が出ていないようだが)意識が変わるからだろう。
作品名:ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座 作家名:ヤブ田玄白