ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座
アルコール性肝障害ほどではないが、ウィルス性肝障害も多い病気だ。
輸血などで、肝炎ウィルスに感染して起こる。
B型肝炎ウィルス、C型肝炎ウィルスによるものだ。
B型肝炎もC型肝炎も、慢性化して、肝硬変になり、運が悪いと肝臓がんになる。
B型肝炎の原因ウィルスは、オーストラリアのブランバーグと日本の大河内一男によって発見された。
オーストラリア原住民(アポリジニ)の血清と、頻回に輸血を受けた人の血清を混ぜると凝集反応が起こることが、B型肝炎ウィルス発見の糸口になった。
そのため当時は、この病原体のことを「オーストラリア抗原」または「Au抗原」と呼んでいた。
数十年前のこと、医学生の進級試験で、肝炎の病原体について出題したことがある。
ある学生の解答は、つぎのようなものだった。
「肝炎の原因は、『オーストラリア高原』にある」
私は驚いたが、爽快な気分にもなった。
その学生を合格としたが、間違っていただろうか?
作品名:ドクター・ヤブ田の、らくらく医学講座 作家名:ヤブ田玄白