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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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コントロールされた暴力

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幼稚園児のボクの暴力



 はじめの思い出は幼稚園の年少組の時。ボクは園庭のジャングルジムに登ってた。
「いやあああああ」
何事が起ったのかと思った。下から女の子の泣き声が聞こえて見下ろすと、誰か知らない子が、男の子に髪の毛を引っ張られて、引きずり降ろされている。
(たいへんだ。女の子が男の子に泣かされてる。どうしよう)

 そんな大昔の話を、どうして今も鮮明に覚えているかと言うと、ボクはその知らない女の子を助けるべきか、放っておくべきか、幼いながらに迷ったからだ。
 泣かしてしているのは、意地悪っぽい年長組の男の子だった。ボクは急いで地面に降りると、その二人の間に割って入った。
 勇気ある行動でしょ。でも後先考えずに、取り敢えずそうしてしまったのを覚えてる。心の内では、この後どうコントロールできるのか不安だけど、女の子の前ではカッコ付けたがる性格だったのかも。

「おっきいもんに逆らったらダメなんだぞ!」と、その男の子が言う。
“おっきいもん”とは、幼稚園の中に出来ていた上下関係、年長組(おっきいもん)と年少組(ちっちゃいもん)のことを言っている。
 でもボクは相手を睨んで、まるで仮面ライダーのようなポーズで、女の子の前に立った。次の瞬間、ライダーキック!・・・を放ったのは相手の方。
 ボクは無残にも、その男の子に股間を蹴られてうずくまる。相手の子は一目散に逃げて行って、女の子は呆気に取られて立ち尽くす・・・。
 こんな何の意味もない喧嘩がよくあって、ボクはこんなことを、お母さんに言い付けられないかだけが心配だった。

 僕が女の子を助けようとした理由は、幼い時から女子ばかりの従妹に囲まれて育ち、唯一の男だった僕。
「男の子は女の子を守るために生まれて来たんでしょ」
何度もお姉ちゃん達にそう言い聞かされていたから、そのための戦いにはプライドを持っていた。