詐称の結末
と言って、鎌倉探偵は最後の語気を強め、俊六を睨みつけた。
そして、机の上におもむろに一冊の本を提示したのであるが。その本は、俊六の三作品めの本だった。
「ここに書かれていること、私は最初にこの本を読んでいたから、君が最初から大いにこの事件に絡んでいることが分かっていたんだ。だけど、日本の捜査陣はそんなに甘くない。きっと近いうちにこの秘密に気付いたことだろう。予言小説、なるほど、君がそう言われる理由が分かってきたような気がするよ。でも、それは悪の生み出したものとして、もう書くのはやめておいた方がいいかも知れないな」
と言って、机の上の本を見た。
そこには、
「詐称の結末」
というタイトルの本が置かれていた……。
( 完 )
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