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桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
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メイドロボットターカス

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第36話 再びの別れ





「わたくしを…前線にですって!?」

「そうだ。さあ、手をこちらへ」

そう言ってロペス中将は恐らく軍用のコードリライティングを差し出した。私は首を振る。

「お断りします!わたくしはメイドロボットです!戦闘などしません!」

ロペス中将は首を傾げてから元に戻すと、「ククッ」と笑った。そしてこう言う。

「まさしく報告通りだ。君は通告に応じない事が出来るロボットなんだな。それならば交渉をしよう」

私は中将に言われた事の意味がよく分からなかった。今の時代なら、ロボットでも意思決定の自由位はあると思っていたからだ。

中将は腕を組み、顎を引いて私を見る。

「ここ、メキシコ自治区の中枢へは絶対に入らせてはいけない。それは分かるな?」

私は、頷いたり首を振ったりはしなかった。なるべく興味がないように見せかけた。

「そして君は唯一、一般に残っていた13体の兵器の内の1人だ」

話の帰着がどうなるのかは私は分かっていた。それでもお嬢様のお傍に居たかった。

「君達が出てきてくれれば、勝てる可能性は高い。メキシコには軍費が少なかった。アメリカと戦えるほどの兵器など持っていない。でももう奴さん達はこちらへ向かってる。一刻の猶予もない。それに、私だって君より弱い。そんなのは当たり前だ」

私はまた抵抗する気力を失くし掛けていた。

“メキシコを守れなければ、お嬢様が…”

「この国で一番強い兵器は君達なのだ。使わない手はない。分かったら家族の者に別れを言って車に乗れ。待つのは3分だ」

そう言って中将は返事も待たずに外へ向かって歩いて行った。私は仕方なく避難所の奥へ引き返す。