小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

メイドロボットターカス

INDEX|67ページ/145ページ|

次のページ前のページ
 

第37話 課された義務





警報が鳴り響く中、捜査員達の持つ通信端末に一斉に着信音が鳴った。シルバの前には仮想ウィンドウが小さく表示される。私はお嬢様を脱出させようと、お嬢様の荷物を集めるようマリセルに頼んだ。

アームストロング氏はちらとだけ画面を見ると端末をしまう。メルバは目を閉じて数秒、恐らく自分に来た指令を読んでからもう一度開けた。シルバはウィンドウを一度タップして消す。銭形氏は端末を眺めたままこう言った。

「我々捜査員は、この事件の捜査は終了だな」

アームストロング氏がこう返す。

「ああ。ターカスも見つかり、エリックは破壊済みだ。マルメラードフは後に裁かれるが、我々は上への報告だけでいいだろう。彼のした事は国際的な犯罪に当たる。全員招集の通信だな?」

その場に居たロボット達は全員黙って頷いた。アームストロング氏がこちらに振り返り歩み寄ってくる。

「アームストロングさん…」

お嬢様は心細そうだった。アームストロング氏はきちんと会釈をし、お嬢様の手を取る。

「どうかご無事で。我々は呼ばれた場所へ行かなければいけません」

お嬢様は何も言わなかった。メルバもシルバもアームストロング氏も銭形氏も、みんな戦争へ行ってしまうと思っていたのだろう。

私は勇気を出して彼に聞く。

「貴方が配属となるのは、どこなのです」

そう言うと、アームストロング氏は「君には言えない」とだけ言い、ホーミュリア家を去った。彼らはみんな帰って行った。