小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

メイドロボットターカス

INDEX|64ページ/119ページ|

次のページ前のページ
 

第35話 彼の帰還






私はその時、自室に居た。誰かが部屋のドアをノックして、「どなた?」と返事をしたけど、何も言われず、更にもう一度ノックが続いたから、ドアを開けようとした途端、ドアは開いて、立っていたのはマルメラードフさんだった。

「マルメラードフさん、どうしたの?」

彼は緊迫した表情で、声を低く、こう言った。

「お嬢様、大変ですぞ。ターカスがついに捕らえられました」

「ええっ!?」

私は大声を出してしまったけど、マルメラードフさんはそれを両手で制するように手を動かしたので、私は慌てて口を両手で覆う。でもそっとそれを下ろして、改めてこう聞いた。

「それは、どういう事なの…?」

すると、マルメラードフさんは人差し指を立てて、小声でこう話しだす。それは、訴えかけるような口調だった。

「ターカスは、エリックに捕らえられてから洗脳され、エリックが戦争を起こそうとしている思想に染まって、ついにポリスによって捕らえられたようです。私がシップを出しますから、お嬢様は捕らえられたターカスに会いに行ってやって下さい。拘束はされていますが、面会は可能ですぞ」

私はそれで、怖いのか驚いているのか分からないけど、とにかくターカスは見つかったのだし、「そうなのね、すぐにお願いするわ!」と、マルメラードフさんについていった。

廊下に歩行器を走らせている時、私はマルメラードフさんに「アームストロングさん達は行かないのかしら?」と聞いたけど、「彼らは捜査の後片付けで忙しいんです」と言われた。



マルメラードフさんが扱うシップは、運転席と座席の間に境目がなく、彼が操縦桿を握っている姿が見えた。それに、マルメラードフさんはたまに「ご心配には及びません。もうすぐ着きます」など話しかけてくれたから、私もあまり不安にはならなかった。

“でも…ターカスが本当に戦争を…いいえ、彼は洗脳されただけなんだから、きっと許しが…きっとそうなるわ…!”

私は、ぐるぐると思い悩みそうになる度に、腕の中のコーネリアを抱いていた。

コーネリアを家に連れ帰った時、「野兎を家の中に置くわけには参りません」とマリセルには断られてしまったけど、ターカスはコーネリアと遊んでくれたから、囚われの身になって元気を失くしているかもしれないターカスを勇気づけるため、私が連れてきた。マルメラードフさんも、コーネリアを撫でてくれた。

“私が心配しちゃダメよ…きっと大丈夫と思うのよ…”