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桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
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メイドロボットターカス

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第35話 彼の帰還





私はその時自室に居た。誰かが部屋のドアをノックして、「どなた?」と返事をしたけど何も言われず、更にもう一度ノックが続いたからドアを開けようとした途端ドアは開いて、立っていたのはマルメラードフさんだった。

「マルメラードフさん、どうしたの?」

彼は緊迫した表情で、声を低くこう言った。

「お嬢様、大変ですぞ。ターカスがついに捕らえられました」

「ええっ!?」

私は大声を出してしまったけど、マルメラードフさんはそれを両手で制するように手を動かしたので、私は慌てて口を両手で覆う。でもそっとそれを下ろして、改めてこう聞いた。

「それは、どういう事なの…?」

するとマルメラードフさんは人差し指を立てて小声でこう話しだす。それは訴えかけるような口調だった。

「ターカスはエリックに捕らえられてから洗脳され、エリックが戦争を起こそうとしている思想に染まって、ついにポリスによって捕らえられたようです。私がシップを出しますから、お嬢様は捕らえられたターカスに会いに行ってやって下さい。拘束はされていますが面会は可能ですぞ」

私は怖いのか驚いているのか分からないけど、とにかくターカスは見つかったのだし、「そうなのね、すぐにお願いするわ!」とマルメラードフさんについていった。

廊下に歩行器を走らせている時、私はマルメラードフさんに「アームストロングさん達は行かないのかしら?」と聞いたけど、「彼らは捜査の後片付けで忙しいんです」と言われた。



マルメラードフさんが扱うシップは運転席と座席の間に境目がなく、彼が操縦桿を握っている姿が見えた。それにマルメラードフさんはたまに「ご心配には及びません。もうすぐ着きます」など話しかけてくれたから、私もあまり不安にはならなかった。

“でも…ターカスが本当に戦争を…いいえ、彼は洗脳されただけなんだから、きっと許しが…きっとそうなるわ…!”

ぐるぐると思い悩みそうになる度に、腕の中のコーネリアを抱いていた。

コーネリアを家に連れ帰った時、「野兎を家の中に置くわけには参りません」とマリセルには断られてしまったけど、ターカスはコーネリアと遊んでくれたから、囚われの身になって元気を失くしているかもしれないターカスを勇気づけるため、私が連れてきた。マルメラードフさんもコーネリアを撫でてくれた。

“私が心配しちゃダメよ…きっと大丈夫と思うのよ…”