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桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
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メイドロボットターカス

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私が家に帰ると、何人か知らない人が家に居た。マリセルは大泣きして私を抱きしめてくれた。

「お嬢様!お嬢様!ああ!ご無事で何よりでございます!」

「マリセル…」

私はその時、やっと自分のした事がなんだったのか分かった。だからマリセルに「ごめんなさい」と謝りたかった。でもその前に、確かめておきたい事があった。

「マリセル…ターカスは?どこに居るの?」

それを聴くと、マリセルは急に俯いて脇を向いてしまった。

「ねえ、ちゃんと帰って来てるんでしょう?」

私は不安になってそう聞く。すると、居間のソファに座った白い髪の男の子がこう言った。

「ターカスは行方不明です。フォーミュリア様」

私はそれを聴き、私を連れに来た黒いでこぼこスーツの人を振り向いて叫んだ。

「どういう事!?だってあなた、「ターカスと一緒に帰してくれる」って約束してくれたじゃない!」

私は、気まずそうに俯いているスーツの人に近寄ろうと、歩行器を動かそうとした。でもそれをマリセルが間に入って止める。

「お嬢様、落ち着いてください。ターカスは今探しているところです。きっと見つかります…」

まだ言ってやりたい事はたくさんあったけど、どうやらその人はただの警察官じゃないとは分かったし、ちょっと怖かった気持ちもあって私はそれ以上何も言えなかった。




「さて、じゃあ心を決めてくれたところで…お前のお仲間に会わせよう」

私は、足を分解されて磁力錠で両手を結わえられたまま、地下の建造物内を移動させられていた。そこはとても広く、細長い鉄の廊下の左右には皆同じ鉄製の扉が取り付けられていた。しかし錆びてはいない。多分衝撃に耐えうる錆びない鉄だろう。

私は彼が嬉しそうに言った事に返事をする。

「そんな事をした覚えはありません。わたくしを帰して下さい」

「おやおや。じゃあ令嬢がどうなってもいいのかい?」

その言葉に私は何も言えず、やがて私が乗せられた椅子の前で、一際大きな扉がスライドして開いた。


そこには私と同じタイプのロボットがズラリと壁際に並び、それぞれがっくりと項垂れたり、こちらを不安そうに見つめたりした。中には退屈そうにしているだけの個体も居た。

私は壁際に一つ余った鎖を手に無理やり結ばれ、それもまた磁力錠だと分かった。ぞんざいに下に下ろされると、“彼”は高らかに演説を始めた。

「この世に争いをもたらそうとたくらむ不逞の輩を、俺達全員の手で追い出そうじゃないか!それは崇高なる使命だ!そのために俺達は生まれてきたと知ろうじゃないか!さあ!闘いを終わらせるため、闘おう!」

その声に真剣に返事をした者は居なかった。そこで私は“全員が無理やりに集められた者達なのか”と理解した。