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桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
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メイドロボットターカス

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「さて、じゃあ心を決めてくれたところで…お前のお仲間に会わせよう」

私は、足を分解されて磁力錠で両手を結わえられたまま、地下の建造物内を移動させられていた。そこはとても広く、細長い鉄の廊下の左右には、皆同じ鉄製の扉が取り付けられていた。しかし、錆びてはいない。多分、衝撃に耐えうる錆びない鉄だろう。

私は、彼が嬉しそうに言った事に返事をする。

「そんな事をした覚えはありません。わたくしを帰して下さい」

「おやおや。じゃあ令嬢がどうなってもいいのかい?」

その言葉に私は何も言えず、やがて私が乗せられた椅子の前で、一際大きな扉がスライドして開いた。


そこには、私と同じタイプのロボットがズラリと壁際に並び、それぞれがっくりと項垂れたり、こちらを不安そうに見つめたりした。中には、退屈そうにしているだけの個体も居た。

私は、壁際に一つ余った鎖を手に無理やり結ばれ、それもまた磁力錠だと分かった。それから、ぞんざいに下に下ろされると、“彼”は高らかに演説を始めた。

「この世に争いをもたらそうとたくらむ不逞の輩を、俺達全員の手で追い出そうじゃないか!それは崇高なる使命だ!そのために俺達は生まれてきたと、知ろうじゃないか!さあ!闘いを終わらせるため、闘おう!」

その声に、真剣に返事をした者は居なかった。そこで私は、“全員が無理やりに集められた者達なのか”と理解した。