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桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
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メイドロボットターカス

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「ターカス、見て見て!」

「どうしました、ヘラお嬢様」

「ほら!」

私はウサギのコーネリアの片手を自分の片手の平に乗せて、ターカスを振り向く。するとターカスは急にぱあっと微笑み、こちらに近寄って来た。

「なるほど、芸を教えたのですね」

「そうよ、この間ターカスが“ブック”で教えてくれたから、ずーっとコーネリアに挑戦させてたの!」


ターカスは時折、ウェッブからブック形式になった教本などを引いては、私に勉強を教えてくれていた。コーネリアの育て方も、その“ブック”を探してくれたのだ。


「では、わたくしは…」

そう言うとターカスは両手をぱっぱっと宙で動かし、しばらくして右手に、小さなにんじんを取り出した。

「“お手”のごほうびを、コーネリアにあげましょう」

「素敵だわ!貸して貸して!私があげたいわ」

「もちろん。お嬢様からあげてください」

ターカスからもらったにんじんをコーネリアの鼻先に持っていくと、コーネリアは大喜びで食べだした。

「頑張ったわね。いいこ、いいこ、食べなさい…」

私はコーネリアを撫でて、コーネリアはにんじんに夢中だった。

「お嬢様、わたくしは夕食の食材を見つけてまいります。今はコーネリアのそばにいてくださいますか?」

「ええ、いいわ。しばらくコーネリアと遊んでいるから、行ってきてちょうだい!」

「では、行ってまいります」