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桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
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メイドロボットターカス

INDEX|115ページ/145ページ|

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私がそこへ降りていく間も、何人もの「ヒト」に絡みつかれた。彼らは皆兵器とされ、自分がなぜそんな事をしているのか知らないままで私に爆炎を放った。私はそれを等しく避け、もっともっと地下へと降りて行ったのだ。



「ああ、ターカスかね。おいで」

恐らく一番下に着いた時、そこは静かだった。血の匂いも爆炎も遠く、真っ白な通路をいくつも通り過ぎて、また真っ白な部屋へ入った。

部屋の奥にはどうやらこの要塞を監視するウィンドウが出され、そこへ、こちらに背を向けてちょこんとオールドマンが座っていた。

「オールドマン、あなたを逮捕します」

彼は動じなかったし、こちらを振り向きもしなかった。そして聞いてもいない自分の話を続ける。

彼は独りで葉巻をくゆらし、傍には“エリック”と思しき影も見えなかった。

「なあ、ターカス。儂の元へ来んかね」

「いいえ」

私がそう答えると、オールドマンは笑った。

「では君は用済みとなり、破壊を余儀なくされる」

私の胸をちくりと何かが刺した。“破壊される”、その事をロボットは何より恐れる。それは人が“生きたい”と念じるのと同じだ。我々は動き続け、働き続けるようにプログラミングされている。

オールドマンが椅子をくるりと振り向かせ、手に持っていた杖でドンと床を突いた。

「儂をここで殺せば、お前さんを使ってやれる人間を殺す事になるぞ」

その不敵な笑みに、私は動けずに居た…。