メイドロボットターカス
「ジャックを起こせ!それから、ターカスの機能を戻すんだ!博士を救出する!」
アルバは、電源ボタンを外されていないホーミュリア家のターカスに駆け寄った。そして彼の体の電源ボタンを何度か押した。
「ターカス!起きて!ターカス!」
しばらく電源ボタンの長押しを続けていると、僅かながらターカスの目のランプが光り始めた。
俺達は一安心してターカスに話しかける。中将も俺もターカスを囲んでいた。
ターカスは正気付いて、慌てて起き上がる。
「皆さん!戦いは…!」
俺はターカスの腕を引いて起き上がらせた。
「大変だ。バチスタ博士がさらわれた。一刻を争う。中へ攻め入ろう。サポートは変わらず俺達がする」
「ええっ!?」
ターカスは一瞬言葉を失っていたが、すぐによろよろと立ち上がり、屋敷目指して駆けて行った。俺達もそれを追いかける。
エリックの台詞が頭の中を反射していた。
“兵器開発をして、各国の穀物を狙ってる。これはアメリカの長年の夢だ”
「へっ!思い通りになると思ったら、大間違いだぜ!」
俺とアルバは急いで門を潜り、ロペス中将は、ジャックを担いで俺達を追いかけて来た。
“一刻の猶予もない!”
作品名:メイドロボットターカス 作家名:桐生甘太郎