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桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
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メイドロボットターカス

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私達が博士を追いかけていった時、辺りは静かだった。

小麦畑にはいくらか炎が燃え立っていたが、核兵器を使用した訳ではなくただエネルギー消費のために爆裂を起こしただけだったのだから、辺りは安全だった。

畑の真ん中にぴょこぴょこと動く博士の小さな頭が見えたので、私達はそこへ駆け寄る。

博士は手に持っていた小さなドライバーで、傷のある方のターカスの電源ボタンを取り外していた。

「博士…成功したのですね!」

「おうともさ!」

博士はこちらを振り返りにこにこ顔で答える。でもその顔はすぐに恐怖に引き攣った。

「博士?」

私が不思議に思って後ろを振り返ると、そこには眼帯をした男が立っていた。

「お前は…」

そのロボットが私を殴ろうとするのと、メルバがそのロボットに向けて爆撃を放つのは同時だった。

私の頭脳は軽い衝撃により視界が途絶え、後には子供達の叫びが僅かに聴こえた…