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桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
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メイドロボットターカス

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ドゴォーン!

その音は、恐らく眼帯の頭だけを狙ったのだろう。俺達は祈った。

博士がなんとか一命を取り止め、エリックだけが壊滅的な被害を負っている事を。でも、無駄だった。

光学銃の光が止んだ時、博士とエリックの居た場所には、誰も居なかった。

「何!?どこへ行った!おい!眼帯!」

俺は周囲を見渡しそう叫んで、必死に博士の姿を探した。一般人を殺しちゃ何にもならない。

中将は銃を下ろして周りを見渡したが、屋敷の上の方を見て、指をさした。

「あそこだ!」

俺が振り返ると、門を飛び越えていく眼帯の背中と、脇に抱えられてぐったりしている博士の後ろ姿が見え、すぐに消えた。


「ジャックを起こせ!それから、ターカスの機能を戻すんだ!博士を救出する!」

アルバは、電源ボタンを外されていない、ホーミュリア家のターカスに駆け寄った。そして、彼の体の電源ボタンを何度か押した。

「ターカス!起きて!ターカス!」

しばらく電源ボタンの長押しを続けていると、僅かながらターカスの目のランプが光り始めた。

俺達は一安心して、ターカスに話しかける。中将も俺も、ターカスを囲んでいた。

ターカスは正気付いて、慌てて起き上がる。

「皆さん!戦いは…!」

俺は、ターカスの腕を引いて起き上がらせた。

「大変だ。バチスタ博士がさらわれた。一刻を争う。中へ攻め入ろう。サポートは変わらず俺達がする」

「ええっ!?」

ターカスは一瞬言葉を失っていたが、すぐによろよろと立ち上がり、屋敷目指して駆けて行った。俺達もそれを追いかける。

エリックの台詞が頭の中を反射していた。

“兵器開発をして、各国の穀物を狙ってる。これはアメリカの長年の夢だ”

「へっ!思い通りになると思ったら、大間違いだぜ!」

俺とアルバは急いで門を潜り、ロペス中将は、ジャックを担いで俺達を追いかけて来た。


“一刻の猶予もない!”