フリーソウルズ Gゼロ ~さまよう絆~
友也 「警察庁監査官室‥‥。兄貴は確か公安だった。これって左遷ですか」
湊 「気にするな。よくある異動だ。じゃあな」
友也 「湊さん」
湊 「ん?」
友也 「何か他に用事があって来たんじゃ・・・?」
湊 「いいや、それとも友也くんのほうで、何かあるのかな」
友也 「・・・あいつら、見つかりましたか?」
湊 「すまん、手がかりなしだ。4年前に捜査本部が縮小されて、それ以来何もできていない。もしかして、友也くんのほうで何か?」
友也 「いえ、別に。もし何かわかればお知らせします」
湊 「そうか・・・」
友也の目を見つめる湊。
湊 「その帽子、カッコいいね」
慌てて手に持っていたカストロ帽を尻ポケットにしまう友也。
友也の肩をポンと叩いて立ち去る。
湊が黒のセダンに乗りこもうとする。
すると、同様の警察車両が園芸社前に滑りこんでくる。
その車から降りる鈴木。
鈴木 「湊さん、どうしてここに?」
湊 「鈴木くん。ここの聞き込みは済ませた」
鈴木 「しかし・・・」
湊 「問題はなさそうだ。警部の俺がそう言うんだから。次をあたれ」
しぶしぶ運転席に戻る鈴木。
園芸社の駐車場が見通せる道路の路肩に停まっている車。
窓から指向性マイクの先が突き出している。
その車の中で、友也と湊の会話をイヤホンで盗み聞きしている日垣。
作品名:フリーソウルズ Gゼロ ~さまよう絆~ 作家名:JAY-TA