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端数報告2

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昭和天皇には一切の戦争責任がないという話。当時の日本国民は日本が神国だから勝つと信じていたという話。このふたつはよく聞くけれど具体的な説明がないのと同じように。だがおれのように明文化して検証すればその蒟蒻は明らかだ。〈大和〉の最後の船出が水上特攻だったというのは後の歴史家が固めた嘘で、裕仁自身が己の〈力〉を信じていたため油は往復積まれていた。〈大和〉は敵をすべて沈めて凱旋する手はずとなってた。
 
それが本当の史実である。アメリカ軍はすぐに〈大和〉を海に沈めるべきでなかった。沖縄までたどり着かせて、天皇には神風を吹かす力などないことを日本国民に知らしめてから八つ裂きにするべきだったのだ。ひょっとするとそれで4月のうちにでも、日本は降伏したかもしれない。
 
それが本当の史実である。人は第2波が来ると言うが、それについての具体的な説明はない。ただ、それが来たときに大勢の人が死ぬという漠然としたイメージがあるだけ。
 
違いますか。おれがおかしい? コロナでは現に多くの人が死んでるじゃないかって? いや、おれが思うにたぶん、世界のハゲタカが舞う地で貧しい人々が死んでるだけと思うけどね。「チャイルドスポンサーになってください」だとかいったCMを見れば、昭和の頃から、
 
「世界では毎年何百万もの人が飢えと病で死んでいます」
 
と言っていたはずだ。あなた、それ、見たことないの。毎年必ず何かしら起きて百万殺している伝染病の、それが今年はコロナウイルスだったというだけのことだよ。先進国では誰も気にしていなかったのが、志村けんが死んだからって今年は大騒ぎしてるだけだよ。
 
おれにはそうとしか思えんね。志村けんは死んだ。なぜだ? 変なおじさんだからだ。けれどもありとあらゆる人の頭に空からタライが降ってくるかのような衝撃をガーンと喰らわせ死んでいったあの死に方は、志村にとって不幸なものだったろうか。95歳で死んで
「えっ、志村ってまだ生きてたの」
と言われる死に方が志村に幸運だったろうか。
 
本人にとってどうかはわからん。あの平沢貞通のようにどこまでも生にしがみつきたかったかもしれないけれど、おれにはよくもまあまあな死に方をしたように思える。すげえよ、さすがだよ、と言いたい。あれでこそ志村だよ。
 
あれがコロナの第1波。というのはいいとしても、あの時点で既におかしい。コロナがそんなに人が言うほど凄いウイルスであるのなら、死者は数百人でなく数百万であっていい。志村の死などその中ではかすむほどでなければおかしい。
 
だがそうはならなかった。本当に〈禍〉と呼ぶほどの数字なのかどうかも怪しい。おれには、「どうしてこの程度で」としかあの頃も思えなかった。
 
が、これが世間的には、
 
「こんなことが起こるとは、テングー以来の大惨事だ!!!!!!!!!!」
 
であったらしい。〈テングー〉とはなんなのかおれには不明なのだけれど、池上彰が、
 
「こんなことが起こるとは、テングー以来の大惨事だ!!!!!!!!!!」
 
と叫んでいたからそうなのだろう。そして、これは始まりに過ぎず、必ず第2波が来ると言うのだ。池上彰がそう言うのだからこれは確かなことなのだ。
 
その時にははるかにはるかにはるかにはるかに多くの死者が出ると言う。だが第2波とはどんなものか。
 
セントエルモの灯
https://2.novelist.jp/68292.html
 
しかしその説明がない。おれはこの話の中でちゃんと説明した(上のリンクから、目次で〈巡航ドリルミサイル〉のページをお探しください)けれども、文字に起こして検証しようにも誰も具体的なことを言わない。しかし必ずそれが起きて、大勢の人が死ぬという。それに備えてマスクを着けねばならないという。
 
妙な話だ。『大勢』とは何人なのか。そのときマスクは役に立つのか。立たないのなら今に着けてもしょうがないわけだし、立つんだったら別になんにも恐れることはないんじゃないのか。
 
そういうものじゃないんだ。第2波とはそうじゃない。とにかくマスク、マスク、マスクと池上彰は言うが結局、具体的な説明はしない。これではたんに、「考えるな。感じろ」と言ってるのと同じじゃないか。
 
格闘技じゃないんだからさ。
 
池上彰は「考えるな。マスクだ」と言う。ウイルスは人の考えが通じるものではありません。だから考えず、マスクです。大切なのは観点です。感染の拡大防止の観点。これが、目に見えない悪魔に勝てるたったひとつの武器なのです。
 
と言って、『池上だヨ!全員集合!』とかいった番組に出ては、
 
「観点!」と叫んでる。「声が小さい! 観点!」
 
「観点!!」
 
と皆が応えて
「そうです。観点を持ちましょう。観点を持つぞー観点を持つぞー観点を持つぞー観点を持つぞー、そう心に唱えましょう。『観点』と唱えるだけがコロナへの備え。死ぬのは観点が甘い人です。だから考えずマスクです。あとそれから、キノコを食べると免疫力がアップします」
 
と言っている。けれどもおれという人間は自分の頭で考えずにいられない。自分の頭で考えて納得できること以外は絶対納得なんかしない。そういう性格なもんだから、考えてみよう。第2波とは、そんなもんがもし来るとしたら、
 
【コロナは意志持つウイルスであり、目標数(不明だが、ことによると全体の2割程度)の人類に感染を果たしたとき変異し、猛毒性をふたたび現す戦略でいる。そのとき3割、いや5割、ひょっとするともっとたくさんの人が死ぬ。最悪の場合、人類絶滅】
  
「そんなことが起こったら、テングー以来の大惨事となる!!!!!!!!!!」
 
と。『〈第2波が来る〉とは何かおれには説明できない』とさっき書いたがあれは嘘で、池上彰がこういう意味で言っているのが最初からもちろんおれにはわかっていた。でもテングーってなんだろうな。それだけがちょっとわからんのだが、おわかりだろう。人が何か主張してたら明文化して検証してみる。時にはそれが必要という話の証明だ。
 
池上彰がこういう意味で「第2波が来る」と言っているのは明らかだが、その蒟蒻も明らかだ。前に書いたようにウイルスは意志を持つものではないし、コロナも決して持つはずがない。野良猫やブラックバスやキノコが繁殖するようにただ増殖するだけのもので、増殖のために有利な道を探す性質を持っていたりするため意志を持つかのように見えることはあるかもしれんがそれはあくまで疑似的なもので、本当の意味での意志は決して持ち得ない。人を殺そうと思っておらず、人とはどんなものかも知らず、毒を持つのはたまたま毒を持つだけだ。
 
つまり第2波を起こそうという戦略など持っていない。起きたとしてもたまたまだ。起こる確率は、30メートルの高波で〈大和〉が沈む確率とだいたい同じくらいじゃないかな。
 
作品名:端数報告2 作家名:島田信之