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端数報告2

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他方、話すことで、ますます自分の疑いが深まる可能性がある理由があったという見方もある。たとえば平沢は、事件の真犯人なり、背後の組織なりと、なんらかの繋がりがあり、そこから得たカネではないか? という推理だ。
 
   *
 
か。さて前に『戦後ニッポン犯罪史』って本から見せたものにも、
 
   *
 
 なお、帝銀事件に関する文献は数限りなくあるが、参照するに値するのは、和多田進氏の『ドキュメント帝銀事件』一冊のみである。右に述べたことも、ほぼ同書からの受け売りであることを明らかにしておく。同書は、「毒薬」について鋭い考察をおこなっているほか、平沢貞通が実は事件に深く「関与」していたことも明らかにしている。詳しくは同書を参照せられたい。
 
 本書初版刊行後、帝銀事件を扱った『疑惑α』という本が刊行され、評判になった。著者の佐伯省氏は、三十七年間にわたる執念の調査によって、この事件の核心に迫っている。その内容は、和多田氏の『ドキュメント帝銀事件』と重なる所が多いが、恐らくこれは、佐伯氏が過去に、自らの調査結果を和多田氏に提供するということがあったからだろう、と推測した。
『ドキュメント帝銀事件』も秀れた作品だが、『疑惑α』は、そのリアリティーと迫力において、それをさらに上回っている。一読をおすすめしたい。
 
〔文献〕
(略)
●佐伯省『疑惑α』(一九九六、講談社出版サービスセンター)
○佐伯省『帝銀事件はこうして終わった』(二〇〇二、批評社)
 
アフェリエイト:戦後ニッポン犯罪史
 
という文があったが、つまりそんな考え方をしているのが、
 
画像:疑惑α表紙
 
この本の佐伯省。さらにここに挙げてある『帝銀事件はこうして終わった』という本を、溝呂木も参考文献にしていることが前に見せたものでわかると思います。
 
おれは『疑惑α』の他にもう一冊、
 
画像:疑惑表紙
 
こんな本も後で借りたのですが、そのとき図書館のコンピュータで見た情報では、『帝銀事件はこうして終わった』はこの『疑惑』と『疑惑α』の二冊をまとめたものらしい。
 
正直言ってどちらもあんまりマトモなものじゃないのだが、書いていったらどんだけ長くなるかわからないほどなので今日のところはやめておきます。
 
それに前置き、いや宣伝で〈紙〉を食ってしまっているから、この続きはまた持ち越し。それではまた。
 
作品名:端数報告2 作家名:島田信之