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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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#1 身勝手なコンピューター

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 飛鳥山は、机にまっすぐ右手を突いて、不安定な体を支えた。
「そんな忖度さえ出来ないのが、平凡なコンピューターなんだよ」
「先生が研究されてる新しいコンピューターは、そこが違うということですよね」
「その通り、様々な条件を積み重ねて、その結果、どうなるか予想するのは当たり前のように感じるだろ。しかしそれは現代人の考え方が、皆一様にそう癖付けられてしまってるからに他ならないと思わないかい?」
 睦美は眉を寄せた。
「う~ん。私が今日の授業で気になったのは、今のコンピューターがもっと高性能になれば、はじき出す予測はもっと正確になっていくと思うのに、先生はそれは不可能だと仰っていたことなんです」

 飛鳥山は黙ったまま(ハイハイ)と言う口の形で頷いて、傍の机の上に置かれていた電子基板を手に取り、睦美に放り投げた。
「これは人類の技術の結晶だよ」
睦美はそれを落とさないように、慌てて両手を伸ばして掴み取り、教授を見た。
「はい、科学技術の進歩の証ですね」
「うん。でもこの進歩には限界があったんだ」
「コンピューターはこれ以上、進化出来ないってことですか?」
飛鳥山はにっこりとほほ笑んで頷いた。

「一つのことをするには一人いれば十分だ。せいぜい10個ぐらいなら一人で出来るとしても、百のことをしようとすると、10人必要になる。それが千個だと? 1万だと?」
「それを肩代わりするのがコンピューター・・・」
「まだ結論を急がないで、宇野さん」
「あ。はい」
 睦美は口を挟まず、教授の話を聞こうと思った。
「でもそれだけ大勢が活動出来る場所も必要だね。卓球台でサッカーをしたらゲームにならないと思わないか?」
「確かにそうです」
「でも、フィールドを大きくしなくても、そのプレーヤーを小さくすることでも解決出来るじゃないか」
「無茶な話ですけど、理屈では解ります」
「現代のコンピューターは、この無茶な発想を推し進めた結果、出来上がってるんだよ」