小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

ヤクザ、VRゲームにハマる!

INDEX|25ページ/33ページ|

次のページ前のページ
 

如月組は戦前からその入札代行業務を生業としていて、関東大震災を契機に急成長し、更には戦後復興の波に乗った事で組員構成員5000を抱える大型組織となった。

如月組が関わる入札代行は道路建設のみではない。公共施設(箱もの)建設業界、
IT機器販売業者、原発廃炉の廃炉業者、産業廃棄物処理業者、水道インフラ等…
「公費」「入札」の単語が含まれる業界は全て如月組と関わりがある。

如月組では、今、後継者争いで揉めている。
如月組の組長には息子がいる。跡継ぎにする為、厳しく育てたせいもあり、息子は家を飛び出し消息不明となった。

最近になって、その息子がヤクザになってるのが分かり、名を捨てマサシに改名していると判った。

組長はマサシを跡継に相応しいとは思わなかった。薬物に依存し、また薬物の売人に成果てているマサシに手を差し延べる気にはならなかった。

あくまで組長の判断であって、幹部たちの考え方は違っていた。
マサシの身辺調査を任されていた幹部たちは組長に内緒にしていたが、マサシが家を飛び出す前、マサシは幹部たちと密約を交わしていた。
組長の遺産を相続した後、その財産を幹部にやる代わりに如月組の跡継ぎしてくれ、という密約だ。

組長は死に、マサシは如月組の頭と平井組の幹部で二足の草鞋をしていた。

マサシは何時も考えていた。5000人を利用して何か面白いことはできないかと


いろいろ思いつくも、犯罪行為はどれもボロを出す可能性があり、思い浮かんでは消す日々をしていた。

そんなある日、如月組のカネと人材を不正流用している者(マサシの性格によく似た存在)の報告が上がる。
マサシはその者が裏でやっていたビジネスについて共感し、そのビジネスを継続するよう支持した。

その者がしていたビジネスはVRメーカーの「ある幹部」から依頼を受けたものである。

幹部は、ゲーム内に存在するアイテム「魔法のマント」が、世に出回る数を少なくして、販売相場の価格を引き上げたいという。アイテムの希少性を上げ、儲けを増やしたいのだ。

その為には、アイテム所有者を抹殺しなければならないそうで、その抹殺ビジネスをその者が引き受けていた。


ーその者の視点ー

その者の名前を仮にマサシ二号とする


二号は麻薬の密売目的に裏組織を作った。

二号は平井組と同じようにVRゲームを使い販路を拡大させていた。

使用人から、ある日、失敗の報告がある。システム管理者に犯罪行為がパれてしまい、このままでは警察に通報されるという。
このシステム管理者は犯罪行為を黙認する代わりに、抹殺ビジネスを提案してきた。

殺しの仕事はリスクが高い。最初は二号も、したくない、そう思っていたが、しなければ通報されてしまう。

二号はやむなく、あれこれ試行錯誤しながら、脅しの言いなりになった。
組員が全国に5000人もいるから、人を殺しても平気なのを探して見つけ、メンバーに加えた。
やれない事はない。そう思った矢先、如月組にバレてしまった。

二号は、この時、死を覚悟していて、あえてやってはいけないタブー、土下座をした。
大量殺人をしてきたのだから、殺されても文句は言えない。、指切断で許される訳でもない、いっそ何も考えずに土下座を通してタブーに訴えたかった。

なんで
土下座
したらあかんの?

その開き直り、が如月組の頭マサシの心に響いたのである。

二号はそれ以降、マサシの顔に泥を塗らないよう、抹殺ビジネスをより確実に成功さできるよう、改良を重ねた。

そんなある日、麻薬の密売の方でトラブルが発生した。使いの者からの報告で、プレイヤーキラーが密売の邪魔をしてくるという。アカウント名藤井というプレイヤーキラーは、使いの者を呪縛魔法で縛りつき、逃げない様にして剣を突き立ててくるという。

新型VRはリアリティーを追求し過ぎたゲームでり、ダメージを受けるとリアルに痛みを体験してしまう、プレイヤーは痛み止めアイテムを持つのが基本であるのだが、
その使の者は呪縛されているから、痛み止めアイテムが使えない。痛み止め魔法を使っても、時間経過で効果がなくなるから、呪縛され続けている限り、いつか痛み止めが効かなくなりー

強制ログアウトする為に、リアルの仲間に通信メッセージを送ったが、返事はなく、ログアウトされない。

使いの者は逃げられず、幾度となく剣を体に突き刺され、地獄の苦しみを味わった。

意識が朦朧としたころ
ようやく開放され、ログアウトした使いの者は

仲間から強制ログアウトさせて貰えなかった怒りをブツケル気で目を覚ますと、

みんな死んでいた。

ビルの中
総勢100人がVRに接続し麻薬の密売をしていた。使いの者を覗いた99人、全員の死体が転がっていた。

使いの者は慌てる様に二号に連絡した。

二号は組長のマサシと共に現場を訪れて状況を確認したところ、皆、銃で撃たれて死んでいた。

多くは助けを呼ぶ間もなく、VRに接続している最中に殺された。たまたま休憩してVRに接続していない者は、体中に穴が沢山空き
逃げようとして、急所を撃って貰えなかった為に大量の血が散乱していた

警察の仕業か、どこかのヤクザ者の仕業か

二号、マサシ、使いの者は何一つ解らなかった。

ただ言えるのは如月組では麻薬の密売はもうできないだろうということ、
使いの者はゲーム内で痛い思いをし続けてたのでPTSDを発症した。




【後書き】

PTSD(Post Traumatic StressDisorder :心的外傷後ストレス障害)は、強烈なショック体験、強い精神的ストレスが、こころのダメージとなって、時間がたってからも、その経験に対して強い恐怖を感じるものです。 震災などの自然災害、火事、事故、暴力や犯罪被害などが原因になるといわれています。
Wikipediaから


仰天ニュースだったか、手術中に麻酔がきれ、でも、きれたことに気付かれないケースがあっるのだそう。

手術中痛い思いをするけと、体は動かせない。
その恐怖体験でトラウマになる人か、世の中にチラホラいるとか

作者は歯医者で麻酔が切れて、死ぬかと思う様な痛みに耐えた事がある。子供だったから、歯医者とは、そういうものなのかと思ってた。大人になって違うと判ったけど
あの痛みについて慰謝料1000万くらいは請求してやりたい気分


------------------------- 第31部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
麻薬追放国土浄化同盟

【本文】



寺井が平井組の頭になって麻薬の密売をしていたのは、全て夢だった。全ては幻でありVR世界が寺井に虚構を与えたに過ぎない。

しかし、確かな事実として、寺井は過去はヤクザっぽかった。その本質は 任侠道を夢見て青春を突っ走るヤンキーだった。

寺井は山口組に属していて、平井組やその他の系列組ついて、ある程度詳しかった。しかし、組で麻薬の密売が行われていたという事実はなかった。世間の噂が勝手にひとり歩きして、山口組は世界でも名高いマフィア組織のレッテルをつけられている。