ヤクザ、VRゲームにハマる!
苦しい家族。、本来親子というのは、もっと運命共同体のようで、一緒にいると安らいで、安心して幸福なものではないのだろうか。
彼女はやるせない気持ちをボーリングにぶつけた。
お客さんは彼女一人だけ、
黙々とピンを倒す音だけが、無駄に広い空間に響きわたる
一汗かいた彼女は時計を確認する。そろそろ夕飯の時間になる。今日は作ってる時間はないし惣菜ですまそう
彼女は車に乗り込みボーリング場を、後にした。
相変わらず監視者はついて来る
スーパーで降りて、惣菜を選んでいると、チラチラ監視者が、目に飛び込んでくる。イライラを収めることができない彼女は、監視者に向かって駆け寄り
「いい加減にしてくれ!」
渾身のエネルギーを込めて怒鳴った。
彼女には息子がいる。成長期だし、食べモノには気を使ってる。毎日気を使ってるし、これからだって気を使う。毎日頑張ってる。それなのに監視者は、なにしてる? 目障りなだけだ。日がな一日邪魔してきて、悪いとは思わないのか
良心があるなら、お前がこはん作れよ。上げ膳据え膳で食べさせろ
セリフにしたら
「私には子供がいる。栄養あるモノを食べさせたい。いつもそう思って食べ物を選んでる。だけど、お前らみたいなクズのせいで、集中できないんだよ! 今日何食べようとか、 何が食べたいとか美味しそうだとか、選ぶ楽しみすらないんだよ! お前らクズにこの気持ち わかるか? わかるのか?
貴様さえいなければ、自炊できてだんだ。心に余裕があって、ご飯作ってたんだ。なのに添加物の入った惣菜を食わせる私、どうするのこれ? 親として失格じゃん。人として失格なのはまだ許せる。でも、親としての失格になるのは許せない。全部お前のせいだ。お前が息子を不健康してる。これからもそうするつもりなら、あんたを殺すぞ。不健康になる未来の息子に謝れ。今この時点で謝れ。それができないなら、今すぐ息子の健康を返してくれ! 」
ヒステリック彼女に周囲の目が向かう
~監視者の視点~
なし
~システム監視者の視点〜
システム管理者はちょくちょく陰謀論サイトに訪れて内容をチェックしていた。サイト管理人は清一といい、殺されない為に、あえて本名を公開しているのだそう。もし清一がログインしなくなったら、殺された事になり、ニュースになったり、なんらかの痕跡がリアルに残るから、それを後輩に参考にして欲しいのだという。
システム管理者はその自己犠牲精神に感銘して、ちょっとだけ、ストーカーしてた。
どういう訳か、清一はアルゼンチンにいて、ピチピチギャルなキャラと話し込んでる、
所詮はオスなんだな、そんな感想を抱いた。
しばらく遠目から観察したシステム管理者
会話が、かなり盛り上がってた。
気になるので、バレないように透明魔法を使い、こっそり近づき聞き耳を立てた。
「じゃあ、貴方があの有名な指名手配犯の寺井なの? うそっだー
「ほんとほんと、誰も信じてはくれないけど」
「でも、さっき自分、絵描きで生活してるって言ってたじゃん、絵の才能を微塵も感じないけど(笑)」
指名手配の寺井? まさかこいつが??
ロリロり露出露出魔がが??
コイツがまさか??
寺井から武器の取引をしたい!
けど、それを言葉に出したら、きっと監視者に気付かれる
システム管理者はその権限でゲーム内に存在しない魔法が使える。テレパシー魔法を寺井とシステム管理者に使えば、互いの全ての心を一瞬で伝えられる。しかし、テレパシーなんていう大層な魔法を使えば
監視者にモロバレしてしまうのだろうから、できない。
システム管理者権限のテレパシー魔法でではなく、別の仕組みで再現されたテレパシーみたいな魔法が、あれば監視の目を欺けるのに……
システム管理者はどうにもならない悔しい思い、歯痒い思いをしながら、寺井と清一見つめていた。
清一
「ヤクザがこんなゲームにハマってるとか信じられない。指名手配されてるくせに、アルゼンチンでお絵描きしてるヤクザありえん(笑)」
寺井
「俺が指名手配じゃなかったら、アルゼンチンにいるわけないよ?
「じゃあ、寺井さんが本当に嘘言ってないか確認させてよ」
「確認? どうやって?」
「これからテレパシーの魔法を貴女と僕にかけるから
「テレパシー? そんな魔法このゲーム内にはないぞ?」
「僕が勝手に名づけたオリジナル魔法だから、知らなくても、あたりまえだよ、でさ心を見せてくれる?」
寺井は好奇心もあいまって承諾した
システム管理者
(清一のいう相手の心が読み合えてしまう魔法は、魔法そのものは使わなかった。モンスターを介した関節的な手段で、ゴースト系モンスターを使うらしい。ゴーストは人間とテレパシーで交流でき、互いに意思疎通の練習をして信頼度を上げると、以心伝心できるようになるらしい。以心伝心できたら、ゴーストは主(あるじ)以外の他人の心を少しだけ読めるようになる。以心伝心とはいかないけど相手が何を考えてるのか漠然と理解
できるようになったゴーストに、チートアイテムの魔法のマントを装備させると、はっきりとプレイヤーの心が読める様になるらしい。そのゴーストが人の心読んで、その内容を主にテレパシーして伝えると、相手がウソを付いているかどうかがわかるらしい。
また、そのゴーストは主の心を以心伝心で理解してるから、テレパシーにて相手に主(あるじ)の意識を伝えることもできる。清一はその行為をテレパシー魔法と読んでる
ゴーストは清一から魔法のマントを被せられた。
ゴーストは見えないから、マントだけが宙に浮いて見える。不自然
ゴーストの力により、清一と寺井の以心伝心はじまった。
副作用なのか分からないが、清一も寺井も、いやらしい顔をしている。
清一「(*´д`*)ハァハァ」
寺井「(*´Д`)ハァハァ」
清一「確かに、嘘は、ついてなかったね」
寺井「そんなことよか、オレの人生の恥ずかいとこ全部見られてしまった。」
清一「僕も僕の全てをさらけ出してしまった。恥ずかしいよ」
寺井「余計なものまで感じた。ゴーストやりすぎだろ、途中から、擬似せっく」
清「それ以上言わないで。男同士で感じでしまうとか、目を背けたい現実」
寺井「ゴーストは以心伝心してるんじゃなくて、単にプレイヤー同士の漫才がみたいなだけじゃないのか?」
清一と寺井はお互いの顔を見合いながら、恥ずかしそうにし、鼻血を垂らした
寺井「どうしたらいい?、オレのお前なしじゃ生きてけないかも」
清一「僕も自制心を抑えられないかも」
二人は夜の海に消えていった。
システム管理者
(なんかだか凄いものを見てしまった。
(二人は海に消えたけとそれからどうなったんだろう?
システム管理者はゲーム内で同じ場所に長居してるのは行動として不自然になるから、一旦ログアウトしていた。
システム管理者は家族を人質にとられてる。いざという時、自己防衛に武器が欲しい
ゴーストを使い、寺井と以心伝心して武器を得るとしても、武器の受け渡しは難しいかもしれない。物が手元に届く前に監視者に奪われかねない。
作品名:ヤクザ、VRゲームにハマる! 作家名:西中