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ヤクザ、VRゲームにハマる!

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寺井と嬢は気を紛らわす様にマリファナを吸っていた。覚醒剤とはまた違う感覚が得られるマリファナは気分を安らげさせる効果があり、食事が美味しくなったり、安眠効果があり、覚醒剤の様な幻覚妄想等の副作用がない。一方、覚醒剤は高揚感や全知全能感で気持ちをハイにさせるから、興奮して眠れなくなる。使えば使うほど体調を壊すのが覚醒剤で、マリファナはそういった危険がない。しかし、危険がないからこそ、安易に使用してしまうし、依存もしやすく、価格も安いから使用量が増えていく。過剰に摂取したマリファナ成分が体で代謝しきれなくなると、やはり副作用があるわけで……

嬢も寺井もマリファナ栽培で当たり前のように手に入るから、使用量が常軌を逸していた。時間とともに、体が蝕ばまれ、日本にいた時の覚醒剤依存と変わらないくらいの副作用に悩んでいた。











------------------------- 第25部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
システム管理者の視点

【本文】
驚異のVRゲーム、5000万人を超える参加者(プレイヤー)の動向を把握し情報を整理、管理、運営に反映してる彼女は優秀なシステム管理者でありプログラマーである。
しかし、その優秀な彼女でさえ、ゲーム内部の仕組みがどうなっているか知らない。ましてやゲームで人が死んでるなんて、噂を聞くまで知りもしなかった。

このVRは、崇高な理念に沿って開発されたものだと経営陣は主張している。ゲーム内で発生する痛みは人の痛みを学ぶ為、教育的作用がある。犯罪抑止効果もある。ゲーム内でのプログラムキャラにレイプや殺人ができる仕組みも、現実社会では犯罪抑止として、欲求不満な者へのガス抜き効果として期待されていた。
実際、 人を殺して肉片を散らすとか、 キャラが死ぬときのリアルな反応があるおかげで、サディストをゲーム内に呼び込んだ。治安当局もクレイジーな犯罪者予備軍を監視しやすくなり、リアル社会の治安維持に役立てることができる。彼女はそう信じて自分の仕事に誇りを持っていた。
しかし実際にゲームが発売されて以降、人が死んでるというクレームや抗議活動が相次いでいて、しかし、どれもが証拠がないから信じるに値しなかった。人が死んだならニュースになってる筈だが、その気配すらない。彼女はライバル会社のイタズラ、ヤクザのクレームビシネスの類と思い、ゲーム公開以降から今まで自身の会社を信じきっていた。

しかし、ついに彼女も真実に気付く事になった。

誇りある製品に疑問を持ったのはヤクザからの脅しから始まってから。
彼女は家族を人質にとられ、マサシという人物のメールの発信源について解析するように脅迫された。

彼女は止む無く従った。だけど家族が本当に開放されるか信じることはできなかったから、ヤクザに渡す情報(データ)にウイルスを仕込み、その行先を追った。

ウイルスはヤクザのパソコンや携帯に感染し、彼女はハッキングを試みて、ヤクザがこれまでした悪事の証拠を集めていった。もし家族に悪さをしようものなら、警察に証拠情報が行くように準備をした。

しかし、ヤクザは約束を守り、家族は無事に開放されて、彼女はヤクザを脅し返す必要は無くなった。

念のためヤクザの弱みになりそうな情報を探した。その最中、あるパソコンの中に、異様な動画が保存されているのを彼女は見つけた。その際、思わず彼女は

パソコン使用者達の顔写真と声をリアルタイムに盗聴、録音した。

音声内容は主にゲームで死ぬと現実にも死ぬという噂話で、動画の中の死体はヘルメットデバイスからの電気ショックで死んだとされていた。

彼女はヤクザの話に半信半疑ながら、聞き耳を立てていた。
部下の1人が政府の陰謀説を語り、それを証明しようと業者に電話かけ

その20分後に、銃声が聞こえた。
ヤクザは慌ただしくしていて、
部下の1人がノートパソコンを抱えて走り出したようで、雑音ばかりで詳しくは聞き取れなかったけど

その場所はわかった。

その日は警察がヤクザの指名手配リストを発表して、寺井という平井組のリーダーが抗争の首謀者になったという話だった。
寺井の顔は
ハッキングしたバソコンのライブカメラから撮影された顔写真にそっくりで、

警察が発表した寺井が抗争を始めたという時間は、、その直前まで彼女がモニタ越しに寺井見ていたから、平井組にアリバイがあった。

彼女はヤクザのいう政府の陰謀説、あるいは、ゲームにて告発運動していた者の話を信じるしかなくなった。

彼女は、ゲーム内で 告発運動 をしてる団体について調べた。団体は個人が集まったボランティア活動の集まりであり、メンバー同士にリアルでの深い繋がりはなく、ライバル業者の営業妨害である可能性は無くなった。
告発団体を設立した者の名前を清一といい、メンバーの中でも唯一本名を使いゲームに参加していた。殺されるかもしれないリスクを承知の上で名前を公にしている彼を見て、彼女のこれまでの疑惑が確信に変わっていく。 彼女はゲームオーバーしたプレイヤーを探した。もし陰謀論が真実であれば、ゲームオーバーしたプレイヤーは二度とログインしていないはずで…


結果からいうと、彼女は自分で判断することを放棄した。目の前の現実を受けいれられられなくて、上司に報告、相談した。

その後、彼女は会社に、家族を人質とられて、主要なデータベースへのアクセス権を剥奪された。

彼女は陰謀の歯車になるしかない

その後、彼女は
納得のいかない日々を送った。

いくらなんでも人口削減をしなければいけない程、資源問題が危機的とは思えなかったから

もっと裏の何かがあるのではないか?
でないと
会社も国もこんな非常識な殺戮をする筈はない。

けれど彼女はその真実を明かすことはできなかった。
家族を監視されてるのだから、余計な真実を知れば、今度は殺されるかもしれない。

彼女は妥協するしかない。罪悪感を
抱えながら生きるしかないのだ。











彼女はプラベートな時間

上司のお茶にこっそり 自分の唾液を入れた







------------------------- 第26部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
ヤクザとシステム管理者と

【本文】
納得のいかないシステム管理者は、できることをしようと思った。
例えば自己防衛の為に武器が必要だから、ヤクザから得た犯罪の証拠を利用してヤクザを脅して武器を貰いたい。しかし、政府がやりはじめた強制的ヤクザ撲滅法律で、全てのヤクザは解体されてしまい、脅す相手になるヤクザもちりぢりになってしまった。

彼女は過去の平井組の情報を調べた。ヤクザの逃亡先が何か分かるかもしれないからだ。
しかし、ヤクザは身元や居場所に関する証拠を残さない主義で、逃亡先に関係している資料を見つけることができない。

彼女は考えた。首謀者とされた冤罪の寺井ならば、どう世間にが騒いでいるか気になる筈。