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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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205号室にいる 探偵奇談23

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「うっわ、これやば…!」

色あせた様々なスナップ写真だ。鮮明なもの、かすれてよく見えないもの、様々だった。気持ちが悪いのは、その写真の中の一人だけが顔を黒く塗りつぶされていること。どの写真の中にも、その黒く塗りつぶされた人物が映っている。

「きっも…!」
「これはやばいわ…」

ちょっとした騒ぎになり、じわじわと恐怖が侵食してくるのがわかった。だがこれはおいしい絵面ではないか。公園、海、結婚式、会食、和室。様々な楽しい場面を切り抜いた写真なのに、悪意を持って塗りつぶされている人物がいる…。

「ちょ、静かに…」

和多田が潤の腕を掴んだ。しん、と静まり返る。

カン   カン   カン   カン

甲高い音が聞こえる。
鉄製の階段を、何か尖ったもので叩くような音が、ゆっくりと緩慢とした一定のリズムで聞こえる。

「足音…」
「あの階段上る音じゃねえ?」

誰かが、上ってきている?静かにパニックが広がる。

「ここ立ち入り禁止じゃん…」
「俺らが入ったとこ見られてたのかも」

まずい、こんなところに侵入していたことがばれたら大変なことになる。

三人はかびくさい押入れに入り、襖を閉めて息を殺した。