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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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205号室にいる 探偵奇談23

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「雰囲気やば」
「つかマジで古いよ。めっちゃ昔のアパートって感じ。昭和だよ昭和」
「おい扉閉めろ。外からばれる」

扉をそっと閉めて、三人は狭い狭い玄関に立ち尽くす。音もない。漆黒の闇。しばし誰も言葉を発さなかった。夜の雰囲気に呑まれたのだ。誰も住んでいない古びたアパートの一室、しかも誰かが亡くなった現場かもしれない場所。その事実が、三人に初めて恐怖を与えた。

「…まず、ざっと中撮ってみるか」
「お、おお」

六畳の和室、押入れ。それだけの小さな部屋だった。畳は腐っていて、靴で踏みしめるたびに沈む。黄ばんだ壁紙。積もった埃。長居はしたくない。

「ここは押入れで~す」

穴だらけの襖をそーっと開ける。中には埃と闇が詰まっているだけだ。

「怖い人形とかあったらいいのにな」
「死体とかね」

くすくす笑いあっていた三人だったが。

「うわあ!」

突然尾花が悲鳴をあげたので、潤は心臓が口から飛び出るかと思うほど驚く。尾花は押入れの下部に入り、中を撮影していた。

「なんだよ、でかい声出すな!」
「上、上やばい!」

尾花と入れ替わり押入れの下部から上を見上げ、潤はそこに古びた写真がびっしりと貼りつけられているを見つけた。