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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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205号室にいる 探偵奇談23

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颯馬(そうま)は、食堂で食券を求めて並んでいるところで瑞に出くわした。

「やっほー瑞くん」
「おす」

連休の一件以来だ。

「颯馬何食うの?今日俺は、カレーうどん」
「俺は日替わりランチにしようかなー」

そんな会話を交わす中で、颯馬は切り出してみた。

「三年の先輩が失踪したらしいよ、三人いっぺんに」

ああ、と気のない返事。

「よくわかんないけど、悪さしてたんだってな」
「ひどい動画撮ってたみたいよ。暇だよね」

券売機から釣銭を取り出しながら、ずばり尋ねる。

「瑞くん、なんか知ってる?」

颯馬の言葉にこちらを向いた彼は、すっと表情を消した。その目の奥の薄暗い光を感じ取り、颯馬は冷たいものを覚える。

「さあ、知らないけど」

表情のない顔に、すっと美しい笑みが浮かぶ。温度を感じさせないその笑顔を見て、颯馬は声が出せなかった。

「みーずー!」

遠くからクラスメイトに呼ばれて、彼はじゃあなと言い残して去った。

「どうした颯馬、そんなとこに突っ立って」
「あ、伊吹先輩…」

盆にチキン南蛮定食を載せた伊吹が、颯馬に気づいて足を止めた。

「…俺、ときどき瑞くんが怖い。本気モードの瑞くんと普通に付き合える伊吹先輩って、やっぱすごいよ」
「うん?何の話だ?」

伊吹はきょとんとしている。このひとほんと幸せ者だわ、と颯馬は苦笑した。