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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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205号室にいる 探偵奇談23

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扉を閉める瞬間、奥の暗い部屋で、何か長細い物がぶらさがっているようなものが見えた気がした。しかしそれを確認する間もなく、尾花によって扉が閉められる。

「とりあえず、離れよう」

和多田が先頭を切って小走りで駆けだした。足元に転がる花瓶。幽霊、まさかな。それに目を落としていた潤の耳に、小さな音が響いた。


カチャッ


それは、家の中から鍵をかける音だった。

「!」

弾かれるように駆けだす。
中に、誰かいる!

三人は大通りまで走り、ファミリーレストランに駆けこんだ。やる気のなさそうな若い男性店員に席に案内されて、ようやく一息つく。

「何だったんだよ…」
「ど、動画。動画見よう!映ってるかも」

尾花のスマホで、動画を再生する。侵入を試みるところ、室内を探索しているところ、押入れの中の奇妙な写真の数々。「足音…」「あの階段上る音じゃねえ?」という自分たちの声。そして慌ただしく押入れに隠れ、画面が乱れる。そこからは漆黒で、自分たちの囁き合う音声だけが続く。ビーッと言うチャイムは確かに録画に入っている。そこで驚いたらしい尾花がガタガタとスマホをぶつける音がして、そこで録画は終わっていた。

「こっわ…」
「足音は入ってないけどチャイム入ってんじゃん!」
「臨場感やばいわ。これ編集なしでのっけてもいいと思う」
「この写真撮ってるときの尾花の手の震えとかまじで怖いわ」