実話・ソープにタダで通う裏技・男にモテるキャバクラ嬢の極意
しかし私には、好青年の話相手になってあげられるだけの心の余裕はなかった。
万が一、精神鑑定で異常者だと判定されてしまえば自由は無くなる。
確かに、精神異常者だと鑑定される危険性は、限りなく低かった。しかし「0」ではない。
私は精神鑑定で自分が精神異常者ではないということを論証するために、今は心の平安を保っていたかった。
ところが、彼の話を聞いてあげていると、どうしても心が乱れてしまう。
私は困惑していた。
そんな私の気持ちを察してからは、彼も沈黙を守ってくれるようになった。
――好青年よ、ありがとう――
私は、心の中でつぶやいた。
精神鑑定は、私を担当する検察官の検事室で行われる。ドクターは女性だった。
豊かな黒髪、色白でスッと鼻筋が通った人である。
綺麗に手入れされた眉と、くっきりとした二重瞼、聡明で芯の強そうな瞳が、知的な落ち着きを漂わせる。
彼女は輝き、あふれる自信を体中から発散させていた。ドクターは自己紹介を済ませると、後は自由に私に語らせてくれる。
私はまず昨夜、暗記した口上を述べた。
――小さな事実の上に自分に都合の良い妄想を重ね上げ、さもそれが事実であるかのように振る舞うところが私にはあります。
特にこれは酒を飲んだときに顕著に表れるのです。
逮捕された驚き・狼狽・困惑等の理由から、妄想の呪縛から解き放たれることなく、取り調べに応じたためにした、あの供述は真実とは異なります――
作品名:実話・ソープにタダで通う裏技・男にモテるキャバクラ嬢の極意 作家名:匿名希望