実話・ソープにタダで通う裏技・男にモテるキャバクラ嬢の極意
警察・検察が、正義を全うしようとする人間を陥れる事は、いつだって自由にできる。
これに対し自由と、外界との連絡を絶たれた人間が、己(おのれ)の自由を確保できる手段は限られていた。
全ての自由を奪い取られた私が権力に屈服することは、私の非とはならない。
断じて!
自分にそう言い聞かせた。
第3のサリン事件を誘発して警察官僚が暴利を貪ろうとしているのを、阻止することが出来なかった私。
そこにあるのは、正義の使者としての誇りではなく、恫喝に屈服した男としての引け目だけだった。
留置場の裏の鉄格子を通して、窓の外の様子を伺ってみる。しかし、そこから月あかりが漏れてくることはなく、ただ暗黒の闇が、窓の向こう側に広がっているだけだった。
時計の針が時を刻み、カレンダーの日付が3つか4つ移動したとき、私は再び検察官に呼び出された。けっして誇ることが出来ない希望を胸に護送車に乗り込む。
窓から見える何気ない日常。この窓の向こう側の世界に私も脱出できると信じて。
検察官は私が入室すると笑顔で迎えてくれた。
「お身体は大丈夫ですか」
検察官のこの言葉から呪文の効果があったような気がした。
いや、まずは弁護士の先生に感謝すべきか?
「すでに聞いていると思いますが、貴方には明日、精神鑑定を受けてもらうことになりました。案ずる必要はありません。いつもの気持ちで受けてもらえばそれで良いですから」
作品名:実話・ソープにタダで通う裏技・男にモテるキャバクラ嬢の極意 作家名:匿名希望